昨日は、「日本の伝統芸能と肌が合わない」と書いたけど、最近読んだ「風姿花伝」は良い。

あ、読んだって言っても原文ではなくて、林望著、「すらすら読める風姿花伝」でつまみ食い。

でも、これ便利な本で、原文(いわゆる「古文」ですな)と対訳+解説なので、もともとの説明のニュアンスが伝わってきて参考になる。

え?なんの参考?

芸に決まっているじゃないですか!講師の。

観客に感動を届ける役者さんと、受講者に真の学習を届ける講師って、すごく似てるところがあると思うんだ。とくに、インタラクティブに設計したセミナーならば、なおさら。

で、「風姿花伝」ってのは、能の奥義を書いたもの、って言う理解なんだけど、ある意味先人が残した精神的遺産を盗み取るぐらいの気概で読んでるわけです。

下記、ポイントを。

●コントラストが大事
秘義にいはく、「そもそも一切は、陰陽の和するところの堺を成就とは知るべし」。

●人から学ぶこと
いかなるをかしき為手なりとも、よきところありと見ば、上手もこれをまなぶべし。これ第一の手だてなり。もしよきところを見たりとも、われより下手をば似すまじきと思う情識あらば、その心に繋縛せられて、わがわろきところをも、いかさま知るまじきなり。

もしさはなくて、われは、あれ体(てい)にわろきところをばすまじきものをと、慢心あらば、わがよきところをも、真実知らぬ為手なるべし。よきところを知らねば、わろきところをもよしと思うなり
下手の人からも学ぶこと

●相手にあわせること
上手の、目利かずの心に合わぬこと、これは、目利かずの眼の及ばぬところなれども、得たる上手にて、工夫あらん為手ならば、また目利かずの眼にも面白しと見るように能をすべし。

●まずは自分の流派を極めてから
かように申せばとて、わが風体の形木のおろそかならんことは、ことにことに能の命あるべからず。これ弱き為手なるべし。わが風体の形木を極めてこそ、あまねき風体をも知りたるにてはあるべけれ