2016-10-19

「開発」って言葉、普通は「システム開発」とか「新製品開発」という風に使われると思うんですが、「顧客開発」という言葉があるのってご存じでしょうか?ワタクシも、最初に聞いたときには違和感があったんです。「顧客を開発…だと…!?」って。でも、よく知るとなるほどな考え方。

スタートアップ成功の成功法則

問題意識としては、スタートアップ企業をいかに上手に立ち上げるか、というもの。時々あるのですが、製品開発をしたはいいけれど、それって誰も買い手がいないじゃん、ということはリアルに起こります。

有名な例で言うと、ハーバード・ビジネススクールのケース「3Mオプティカル・システムズ: 企業内起業家精神の管理」。主人公のアンディは、マイクロルーバー技術をコアとしてプライバシースクリーンを作ったわけですが、製品が完成してから「さあ、顧客に売り込もう。てか、顧客は誰だ?」と悩んでいるじゃないですか。それこそ本人が言っているとおり、「まずは弾ごめ、次に照準を合わせる」みたいな流れです。

でも、これって順序が逆じゃない?というのが冒頭に紹介した「顧客開発」の根底にある考え方。まずは製品のコンセプトを固めたら、実際に製作に入る前に顧客のニーズを聞くのが先だろ、となります。その結果製品自体が変わることは当然あって、このサイクルをくり返すことで顧客のニーズにドンピシャにマッチした製品ができる、と言うことになります。まあ、製品化の前に顧客のニーズを聞いているわけで、そりゃドンピシャにマッチしますわな。

MBAも陥った開発順序の罠

実はこれには痛い思い出があり、私自身が顧客開発をやらなかったが故にしなくてもいい苦労をしたことがあります。それが、投資教育。フツーに考えると、真っ当な投資教育のニーズって絶対あるはずなんですよ。高齢化で年金は危ういし、団塊世代の大量退職はあるし。だとしたらそれを商機として投資教育のビジネスを立ち上げる…と思ったのですが、なかなかうまく行かなかったんですよね。

それはそうで、仮に団塊世代の方がリタイアしてまとまった額の退職金を手にしたとしても、先ず相談に行くのは銀行ですよね。自分で勉強して投資をやろうというのはニッチな、もしくは極めて潜在的なニーズです。もちろん、事前調査はいろいろやったんですけど、その時には事実<ファクト>を冷静に捉えることはできなかった感じですね。

一方で、顧客開発が成功した?事例もあり、「マネー教育からピボットした」という際には、新たなビジネスモデルを模索する過程で顧客の意見を聞いて回りました。結果として、その時考えていた製品(というか、うちの場合はサービス)は日の目を見なかったんですが、まあ、それはそれで成功と言えるでしょう。なまじサービスを立ち上げてから、「顧客がいない!」となったら最悪ですからね。たしか、前回顧客開発をしたとのは2009年ぐらいだと思うけど、その時には顧客開発を詳しく紹介している書籍「スティーブン・G・ブランク著、アントレプレナーの教科書」を翻訳された堤さんにもお話をうかがったんじゃないかなぁ。

ちなみにこの本の著者はUCバークレーとかスタンフォードなど、スタートアップの聖地とも言えるサンフランシスコ周辺で教鞭をとっている先生です(MBAかな?)。私が教鞭をとる米マサチューセッツ大学は東海岸に位置しますが、「Center for Innovation & Entrepreneurship」というのがあるくらいなので、この顧客開発という考え方は教えられているかも知れません。

んで、この顧客開発というの、当社にもまた再び、と言う感じです。新たなサービスを立ち上げようとしているのですが、「どっから手をつけっかな~」と悩んでいたのですが、「そうだ、顧客開発があるじゃないか」と思いついた次第。

とりあえずウェブマーケティングで顧客候補を発見と言うところからスタートです。

この記事を書いた人

MBAの三冠王木田知廣

木田知廣

MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。

ブログには書けない「ぶっちゃけの話」はメールマガジンで配信中