亀田興毅選手がWBA世界ライトフライ級のチャンピオンとなった。が、試合の内容を反映していない不可解な判定に、批判の声が大きくなっている

まぁ、でも、プロスポーツにおける興業性と競技性の両立の難しさは今に始まったことではない。ことに格闘技においてそれは顕著で、もっとも競技性の高い総合格闘技である修斗からトップクラスの人材が流出している現状もこれに符合するわけだ。

したがって、今回の「疑惑の判定」も、亀田選手自身が今回の判定を望むか否かに関わらず、テレビを初めとするメディアの盛り上がりにより、別の力学が働いた結果と見るのが妥当なんじゃないかと思う。

なので、批判の矛先を亀田選手に向けるはちょっと違う(「しょっぱい試合をしたこと」に関しては批判されるべき)。

本当に問題なのは、興業性を優先するあまり「勝利を金で買う」ことを許して、競技性への信頼を失わせしめた日本プロボクシング協会だし、そうまでしなければ経営が成り立たない日本のプロスポーツの現状だろう。

だから、ふと夢想する。

インターネットが本格的に生活に入り込んできた今、ネットによる中継って十分可能なわけで、リアルな戦いを見たいと望む人が、たとえば一人1,000円支払うことによって、興業性を排除したプロスポーツって可能なんじゃないかと。

ロングテールっていうのかな、たとえ少額顧客であっても、大量に集まることによって商売が成り立つと言われている。亀田選手を初めとしたプロスポーツが興業性という鎖から解放される日が来て欲しい、と心から思う。

この記事を書いた人

MBAの三冠王木田知廣

木田知廣

MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。

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