フレームワークにも好き嫌いがあって、個人的にはコッター先生の説には今イチピンと来ません。もちろん、コッター先生と言えば史上最年少でハーバード・ビジネススクールの教授に就任した俊英、ワタクシがちゃんと理解してないせいだと思うのですが、まあ、それでもピンとこないものはピンとこないのです。

たとえば、コッター先生と言えば変革的リーダーシップで述べているように、リーダーとマネージャーは違う、と言っているわけですが、これ、「?」。

だって、ビジネスの現場においては、1人の管理職がリーダーシップもマネジメントも両方使わなければいけないわけで、これをあえて分けるのは弊害があると思うんですが。組織の中がリーダーだけって、あり得ないでしょ。

同様に、変革の8ステップ。

  1. 危機意識の醸成
  2. 強力な変革推進シンパの結成
  3. ビジョンの策定
  4. ビジョンの伝達
  5. ビジョンを実現する権限の付与
  6. 短期的な目標の策定と成果の達成
  7. さらなる変革の促進
  8. 新たなアプローチの定着

というものですが、ホントにこれで変革ってできるのか?と疑問。

たとえば、危機意識の醸成(英語でいうとEstablish a sense of urgency)とあります。でも、私が学んできた心理学をベースに考えると、危機に直面すると人間はFight or Flight反応を引きおこし、けっして積極的に自ら変わろうとはしないと思うんですよね。実際、Fight、つまり変革への抵抗勢力になるとか、Flight、変革の必要性から目を背けるとかもよく聞く話だし。

て話をらしさラボの伊庭さんと話していたら、いや、実は8ステップって使えるんですよ、とのこと。

へぇ~、そうなんだ、と詳しく聞いてみると、どうやらポイントは8ステップのそれぞれで、社員をどのような心的状態(マインドセット)にするかということらしいです。たしかに言われてみれば、コッター先生の8ステップは「何をやるか」であって、「その時社員をどのような状態にするか」は書かれていません。この双方を考えることによって、「使える」フレームワークになるのかもしれないですね。

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この記事を書いた人

MBAの三冠王木田知廣

木田知廣

MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。

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