当社も創業10年を経て、ビジネスモデルの変更を考えています。
もともとは「マネー・カレッジ」ブランドで投資教育から始まったのですが、途中で一回ピボットして、ビジネス教育に重心を移しました。ただ、基本的にセミナーや研修を提供して対価をいただくというビジネスモデルの変革まではいたらなかったんですよね、その時には。
ところが最近、お客さまのご要望に応えるうちに、ドメインがいろいろ広がっていっているのです。コンサルは、まあ、今のビジネスの延長線上とも言えますが、システム提供みたいな話もあって、そうなるとそもそもの課金体系から違っていくことになり、ホントにビジネスモデルの変更になりそうです。
なので、最近はその分野の研究をいろいろしていて、たまたま手に取ったのが今枝先生のご著書「今枝 昌宏著、ビジネスモデルの教科書: 経営戦略を見る目と考える力を養う」。事業レベル、コーポレートレベルという二つの層に分けて、31のビジネスモデルが紹介されています。Amazonでの評価は毀誉褒貶入交と言うところで、実際に文章が読みにくいのは間違いないですね。ただ、この手の本って「利用」してナンボですから、個人的にはありがたいです。「このモデルをウチに当てはめるとどうなるかなぁ…」と発想が広がりますからね。
分類 | ビジネスモデル | 事例 |
---|---|---|
顧客セグメント・顧客関係 | 地域ドミナント | スターバックス、セブンイレブン、西松屋 |
クリームスキミング | サウスウエスト航空他LCC、コルト(英)、KVH | |
特定市場の支配 | 日東電工、YKK、マブチモーター、参天製薬、信越化学 | |
グローバル化 | トヨタ、スズキ、コマツ、パナソニック、日立建機、エースコック | |
顧客ライフサイクルマネジメント | ベネッセ、トヨタ、スウォッチ、アップル | |
顧客の購買代理 | ミスミ、アスクル、ディーコープ、グルーポン | |
プラットフォーム | Facebook、ヤフオク、REINS、ジャニーズ | |
提供価値 | ソリューション | IBM、アデランス、富士ゼロックス |
同質化※1 | コカコーラ、日清食品、IBM、トヨタ | |
アンバンドリング | QBハウス、LCC、中央物産 | |
デファクトスタンダード | マイクロソフト、インテル、ファナック | |
ブルーオーシャン | 俺の、Willer Express、任天堂、ROUND1、カーブス | |
価格/収入構造 | レーザーブレード | ジレット、コダック、エプソン、キンドル |
フリー | DeNA、KDDI、ソフトバンク、Dropbox、カルディコーヒーファーム | |
敵の収益源の破壊 | Yahoo!ジャパン※2、アップル、IBM | |
ビジネスシステム | チャネル関係性※3 | シャルレ、シャクリー、インフォコム、ヤクルト |
ダイレクト | 外資保険会社、アスクル、再春館製薬 | |
サプライチェーン種別の変更 | デル、日東電工、グリコ | |
機能外販 | ルフトハンザ航空、大阪ガス、ベネッセ、日立製作所、Amazon | |
リソース先制※4 | コカコーラ、シンガポール航空、デビアス、電通 | |
マクドナルド化 | 天丼てんや、ブックオフ、ガリバーインターナショナル | |
提携先のレバレッジ※5 | グーグル、ワタミ、現代自動車 | |
強者連合 | 新日鐵、日本生命、ローソン、味の素冷凍食品、ニチレイフーズ | |
コーポレートレベル | 資源再配分の加速 | サムスン、富士フイルム、ソニー |
同業との統合 | JX日鉱日石、アルセロール・ミタル、イオン | |
周辺産業との統合 | アプライドマテリアルズ、LIXIL、メディパル | |
ブランド買収・再生 | LVMH、ケリング、リシュモン、ディアジオ | |
川下への進出 | コカコーラ、JX日鉱日石、住友商事、リコー、日立製作所 | |
中立性・専属制のマネジメント※6 | WPP、オムニコム、野村ホールディングス | |
レバレッジドバイアウト | JT、ソフトバンク |
※1市場で1位の企業が2位いかの企業の差別化を模倣
※2 ヤフーショッピングの無料化
※3 チャネルの持つ最終顧客との関係性を、自社製品の販売に活用。シャルレ、シャクリーはネットワークビジネス。インフォコムはGRANDITのライセンス販売において、大企業とパートナリング
※4 有限な経営資源を先に囲い込む。コカコーラの自販機など。
※5 グーグルがyahooに検索エンジンを提供、ワタミのつぼ八フランチャイズとしてのスタート
※6 顧客に対する中立性や専属制を守るために統合できない2つ以上の事業を持株会社の傘下におく
画像はアマゾンさんからお借りしました
この記事を書いた人
木田知廣
MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。
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