株主優待券をいただいたので、吉野家さんに行ってきました。そこでみた、戦略の進化は…
吉野家と言えばカウンターで注文のはずが…
吉野家さんと言えば、私の戦略講座で取り上げさせていただいていて、勝手に恩義を感じています。集合研修を承ったことはないのですが、海外に行く前の社員の方を個別指導させていただいたことはあって、えらく優秀な方だな~、と感銘を受けたのも思い出します。
そんなご縁もあり、私は吉野家さんの株主です。先日株主優待券をいただいたので、お店に行ってきました。そこで驚いたのが…
オーダーがタブレットになっている!
吉野家の「勝ちパターン」はリピーター獲得
吉野家さんと言えば、カウンターで注文が当たり前。ただ、女性客をターゲットにした「黒吉野家」(クッキング&コンフォート店)では、流石に「大盛り一丁!」と大声を出すわけにはいかないので、タブレットでの注文だったのですが…ついには通常の店舗でも導入とは。
私がなぜこれほどタブレット端末にこだわるかというと、吉野家さんの強みの根幹を脅かす可能性があるから。私の戦略講座を受講いただいた方はご存じのとおり、あえて券売機もタブレットも使わずに口頭で注文を受けつけることにより、お客様からカスタマイズを誘発し、リピーター化する効果が見込まれます。
さらに極論すれば、注文すら不要。なじみのお客様の顔を見ただけで、「この人はつゆだくだ」とスタッフが理解して提供する…それが強みのはず。
しかし、タブレットで注文となると、カスタマイズできません。ましてや、なじみのお客様の顔を覚えるというのもないでしょう。ほんとうに大丈夫かな、と株主としては心配になります。
ちなみに、最近の株価を見てみましょう。日経平均が爆騰している中、吉野家さんの株価は3,000円あたりをウロウロしていてパッとしません。私の心配もあながち杞憂とは言えないでしょう…
と、思いきや、大丈夫です。
ヒトモノカネをラーメン事業に集中する吉野家
実は吉野家さんは今、新たな戦略としてラーメン店による世界進出を追求しています。海外の方に日本のラーメンが人気なのはご存じのとおりですし、長年の懸案であった客単価向上も実現できます。社内のリソース、ヒトモノカネをラーメン事業につぎ込むためにも、既存の牛丼事業は軽量化を図っているのが、タブレット端末による注文方式というのが私の見立てです。
つまり、今は冴えない株価も、ラーメン事業が成功した暁にはドカンと跳ね上がる、はず。と、期待したいですね。
Photo by benson-ho
この記事を書いた人
木田知廣
MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。
ブログには書けない「ぶっちゃけの話」はメールマガジンで配信中。
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