ネット証券の発展で株の売買手数料は圧倒的に安くなりましたが、それが無料になるかもよ、という話。てか、誰が得するんですかね、こういう経済体制の下では。

米国発の株式売買モバイルアプリロビンフッド(Robinhood)をご存じでしょうか?これ、何と株式手数料が無料というもの。

なにゆえこれが可能か?と不思議ですが、ロビンフッドのサイトによると「顧客からの預り金に発生する利子収入を得ているから、売買手数料がなくてもいい」とのこと。なんか、ホントかな、という気もしないではないですが…。米国だけでなくオーストラリアでもアプリをローンチしているそうですから、一定の市民権は得ているのでしょう。

このようなサービスの受益者以外からおカネをもらうというビジネスモデルは「フリーミアム」というキーワードともにすっかり定着した気がしますね。googleも検索する人がお金を払うわけではありませんし、Dropboxなどのストレージサービスでも、多くの人が無料でサービスを受ける恩恵に浴しています。このような流れが金融業界において定着したのがロビンフッドと言ってもいいでしょう。

翻って、教育業界。このビジネスモデルを活用しているのがいわゆるMOOCsだったはず。いわく、授業料という形よりも、広告収入やヘッドハンターへの紹介料で儲けよう、というのがもともとのビジネスモデルと記憶しています。

ただこれ、最近では変わってきているようですね。2015年7月6日付の"Pricing your Course: Quality Standards"というUdemyのウェブページでは、平均的なコースは3ー4時間で75ドル、ザックリ言うと1時間あたり25ドル程度になっているということです。オンラインでの時間あたり売上が3,000円ですから、提供者にとっては悪くない数字です。ということは、Udemy自体のビジネスモデルも、プラットフォーム的なものに代わってきたと言うことでしょう。ということで、フリーミアムモデルは教育業界まではまだ及んでいない、というのが現状のようです。

udemy photoPhoto by IntelFreePress

この記事を書いた人

MBAの三冠王木田知廣

木田知廣

MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。

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