もうすぐ4月で新入社員を迎える職場も多いでしょう。その際気をつけたいのが、わかりやすい指導をすること。最近の若手は「まずはやり方を教えてほしい」という要望が強いので、これに的確に答えられないとガッカリされてしまいます。そこで、新入社員のOJT担当者になる人はもちろん、すべてのビジネスパーソンを教え上手にする5つの法則を解説します。1. 大聖堂(カシードラル)の法則、2. スーツカンパニーの法則、3. フィードフォワードの法則、4. ビジュアル化の法則、5. 具体から抽象の法則です。

教え上手5つの法則の全体像

このライブ配信では分かりやすく説明する技術、それを5つの法則にまとめてお送りいたします。もうすぐ4月で新入社員の方が来ますからね。その人たちに上手に教えられるように、なんでかっていうと今の若手はちゃんと教えてくださいという要望が強いんですって。だとしたらね。分かりやすく教えられるようになりましょう。

はいでは改めましてこんにちはシンメトリージャパン代表の木田知廣です。今日は3月の23日ですね世の中ではWBC、野球のそうこれが日本が優勝したんで大騒ぎになってます。なんかすごくこうドラマチックな展開になったみたいですね。もうJリーグファンの私としてはね、羨ましいなあと思っちゃいますけど。やっぱサッカーもね、ワールドカップ優勝しなきゃいけないよなっていうふうに思いました。

はいじゃあ本題ですけれども教え上手。そうこれコツがあります。ところが意外とこのコツって知らない人が多いんですよ。考えてみると学校で教え方は教えてもらってない、あるいは社会人になったとしても上手な教え方ってのは誰も教えてくれないわけじゃないですか。そうすると意外と教えるのが下手な人って多いなっていうのが私の感触です。

さっきも言ったんですけれども、最近の若手の方はちゃんと教えてほしい、教えられずにいきなり仕事任されるのも困りますみたいなところもありますのでね。ぜひ5つの法則身につけていただければと思います。

じゃあ最初まず全体像ですけれども。1つ目が大聖堂カシードラルって言いますけれども大聖堂の法則。そして2つ目がスーツカンパニーの法則。3つ目はフィードフォワード、フィードバックじゃなくてフィードフォワードの法則。そして4つ目がビジュアル化の法則。最後の5つ目が具体から抽象の法則となります。

たとえ雑用だって「目的」を伝える

はいじゃあまずは1つ目カシードラル、大聖堂の法則から行ってみましょう。これ何かって言ったらば昔話です。昔話である人が道歩いてると、ここに職人さんがレンガを積んでました。聞いてみました。何やってんですか。職人さん答えます。見てわかるだろ、お前。レンガ積んでんだよ。じゃなくて、もう少し道を歩いていって別の職人さんがやっぱり同じくレンガ積んでたんで聞いてみました。何やってんですか。そうすると喜んで答えてくれます。いやね我々の寺院、大聖堂を建ててるんですよ。

そう全く同じレンガを積むっていう作業でも単なる作業として捉えるか、目的、大聖堂を建てるそのためにこのレンガを一つずつ積んでるんですよっていうか。これによってやる気も違えば、そこから学べるものも違ってきます。ということは、新人さんが入社してきて、どうしてもやっぱりこう、雑用って言うとあれですけども、例えばコピー取り、はたまたデータの入力みたいなお願いする時ってあります。

そんな時もレンガを積ませるんではなくて、これは、データ入力してもらってるのは、社内のこんな風に使っていって、最終的にはお客様にこんなふうに役立つんだよ。そう、大聖堂を見せてあげましょう。目的をちゃんと説明しましょう。これが一つ目の大聖堂の法則です。

じゃあ2つ目も行きましょう。今度はスーツカンパニーの法則。これ何かって言ったらば私たちがセミナールームへの道案内を電話でお客様にするときです。お客様から時々電話いただきます。お宅のセミナールーム、場所わかんないんだけど、どう行ったらいいの?そうすると説明の時に聞くんです。「お客様スーツカンパニーって見えます?」、「見えるよ」。実はスーツカンパニーが見えたら逆方向。地下鉄の駅上がっていってこっちに行くべきところこっちみたいな。逆方向に進んじゃってるんです。180度戻っていただいて、歩いていただいてもいいですか。新人の方に説明する時に、当然やり方説明するわけじゃないです。これこれこうやって、でもそれだけでは十分じゃなくて、ダメなやり方、こういう風にやるとうまくいかないからね。さっきのスーツカンパニーが見えたら逆方向ですよみたいなのと同じです。正しいやり方とともに正しくないやり方を教えてあげる。そうするとこの方、新人の方であってもなるほどな。てことはこういうやり方ね。わかりますので、2つ目のコツになります。

最近の若手には必要なフィードフォワード

じゃあ3つ目いきましょう。今度はフィードフォワードです。世の中でよく言うのはフィードバックつまり新人さん仕事してくれました。それに対してフィードバックのコメント。これ、新人さんには嫌がられるんですって。いやフィードバックを後から言わないで、ちゃんと事前に教えてくださいよ。やり方も説明されないのにやらさられるのは納得いきません、みたいな気持ちが新人さんにあるんですって。

だとしたらフィードフォワードでやり方を事細かく教えてあげましょう。それも私たちは結構細かいのをお勧めしています。全部でね6項目ぐらいからありますけれども。はいまずは当然、なぜ必要と教えてあげましょう。そうですよね。さっきのカシードラルじゃないですけども、これが何のために役立つか。

さらには成果物、つまり仕事をお願いした出来上がった成果物アウトプットは何で、それの合否判定基準、こういう状態だったらそれは合格ではないですよ、と言うのを伝えます。

そして期限も教えますし、誰のために、つまりこの出来上がった成果物は誰が使うんだってのも教えてあげましょう。あるいは誰に聞きながら。そう特に新人の方だとこの仕事はもしも迷ったら先輩の誰それさんに聞いてみてね、あるいは、迷わなかったとしても実はデータは他部署のあの人からもらってきてねみたいなことで、誰に聞きながらっていうのも教えてあげるとより親切です。

そしてどのようにそうこのどのように。これは正直言って相手の方のレベルによっても変わってきます。もしもたとえ新人だったとしても、この方がちょっとこうセンスがいいっていう方、賢い方であれば、「これご自分の考える力を高めてもらいたいんで、やり方も自分で考えてもらってもいいですか」っていうアプローチもありです。

でもあまりセンスが良い方でないなと思えば、もう事細かに、これこれこういうやり方で、あるいは時には自分がやってみせてそれを見てもらって理解させるっていうのも必要です。はいそしてダメなのは。そうですよね。さっきのスーツカンパニーの法則で、正しいやり方とともに、こういうやり方はダメだよっていうのを説明してあげる。

おまけにこの業務から学べるのは。作業をお願いしてる。でもこれは単なる作業じゃなくて実はあなた自身の成長にもつながる。なんでかというと、一見つまらないように見えるこの業務からも、こんなことが学べるよっていうのも教えてあげる。そのくらいこと細かに説明してあげるフィードフォワード。事前に教えてあげると、この人は喜んで仕事をしてくれるということになります。

はいじゃあお次も行ってみましょう。4つ目の法則になりますけれども、これはビジュアル化の法則です。何かって言ったらば、言葉で説明するだけじゃなくて、ホワイトボードとかを使いながら図を書いたり文字に落とし込んでわかってもらいましょう。人間って単なる耳から聞いた理解だけじゃなくて、目からも理解してもらった方が確実です。だとしたら、じゃあ今の話ちょっとホワイトボードにまとめてみると、っていうのがいいです。あるいは、二人で教える側教えられる側が横並びになって、目の前にノートを置いて、じゃあちょっと今書いてみますけど、こういうことですよね。耳からも目からも、それこそ五感の全てをフル活用して相手の方に理解してもらいましょう。それがビジュアル化の法則です。

じゃあ最後5つ目いきましょう。具体から抽象。何かを説明する時にはいきなり抽象的な小難しい話じゃなくて、まずは具体的なやり方なんです。それを抽象化してあげると相手の方の頭の中に、スムーズに入っていきます。逆に言うといきなり抽象から言われるとわかりません。

私こないだ経験しました。ある人工知能を使ったサービスの会社の人とミーティング、打ち合わせをしたんです。そのサービス使ってみたかったものですから。ところがその担当者の方はいきなり聞いてくるわけです。「社長、当社のサービスを使う目的は何ですか?」。言われた方こっちはちょっとびっくりしちゃいます。目的?いや目的って言われても…ですよね。ものすごく抽象度が高いものを、いきなり聞かれてもわかんないんです。
だってそのサービスまだ使ってないわけじゃないですか。どんなサービスかを知りたいから打ち合わせを持ってるのに、いきなり目的から入られるとちょっと正直言って戸惑います。答えられないと、この方また聞いてくるわけです。「社長、では何を持って当社のサービス導入が成功と判断されますか?」。わかんないね。何をもって成功かって言われても、いや~みたいな、戸惑っちゃうわけです。

じゃなくて、こういうところから始めて欲しかったんです。具体から。「社長、どんなデータ分析されます?御社にどんなデータあります?」。これなら答えられるじゃないですか。データって言われたら、そうそううちはインターネットの広告たくさん使ってるの。そうするとネット広告のどれがうまくいって、どれがうまくいってないかっていうデータがたくさんあるの。っていうところから会話がスタート。その後で抽象化です。

この担当者の方は、その話を聞いた上で、「分かりました。じゃあこんな風にデータを入力するといいですよ。ところで社長、このデータ分析する目的って何ですか?」、「目的か~、そうだよな、確かにデータはデータであるんだけれど、目的を考えないと意味ないよね」。

全く同じ目的でも具体から始まるとわかるんですけども、いきなり抽象から始められると、もう何も分かりません。というか、私なんかは、この人説明下手だよなーって思っちゃいました。もったいないね。多分、人工知能のサービスを展開してる会社にいる人ですから、賢い方なのに。説明の仕方一つ知らないだけでがっかりいっていう、ちょっと思っちゃいました。

では、まとめてみましょう。なかなかこういう教え方のコツ教え方の法則ってのは、身につける機会もないと思いますので、ぜひここで参考にしていただければと思います。1つ目が大聖堂カ、シードラムの法則。2つ目がスーツカンパニーの法則。3つ目がフィードフォワード、事前にフィードフォワードの法則。4つ目がビジュアル化の法則。そして5つ目が具体から抽象の法則、ということになりました。ぜひ実際の現場で使ってみてください。

この記事を書いた人

MBAの三冠王木田知廣

木田知廣

MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。

ブログには書けない「ぶっちゃけの話」はメールマガジンで配信中