「いい営業担当者ってなんだろうね~?」
この話題で、ひと頃社内が持ちきりになりました。
というのは、タイプの異なる営業担当者に連続して会うチャンスがたまたまあったのです(当社が営業をうける立場)。扱っている商材も違うし会社の規模も違うので、一概に比較はできないのですが、それでも見事に違いすぎて、ビックリです。
内向的な人の方が営業に向く
Fさん(女性)は、それほど口数が多いタイプと言うことはないのですが、聞いたことに的確に答えてくれるし、なによりそれが「自分の意見」なのか「事実(データ)」に基づいているのかを峻別して伝えてくれるので、こちらの「買う」、「買わない」の判断がつけやすいのです。
一方のHさん(男性)は、「あれや、これや」と話してくれるのはいいのですが、ひと言で言うとそれが「薄っぺらい」。と言うのは、事実の裏付けがないままに話しているから。「アメリカに○○という考え方があって…」と言われても、「いや、それでホントに効果は上がるの?」と聞きたくなるわけです。
要するに、話し上手が必ずしもいい営業なわけではなくて、「内向的な人の方が営業担当に向いている」なんて説もうなづけます。
研修で営業マンの行動を変えられるか?
というのが、よくある話。
ところが当社は、研修を提供しているわけじゃないですか。なので本当の興味は別のところにあって、「どうしたらHさんのようなイケてない営業をFさんのように変えることができるか」、が本題です。
というのは、Hさんのようなタイプって行動を変える、もしくは自ら行動を変えるように促すのは難しいんですよね。なぜならば「自分で自分を客観視できていない」から。いやね、普通の人間であれば気付くはずなんですよ。セールストークで色々話しているわりには、こちらの反応が今イチなので、このやり方じゃダメなんだって。ところが、Hさんはそれに気付かず、延々話しているわけです。
この手のタイプには、「行動を○○に変えた方が良いですよ」と提案しても、「はぁ~、そんな考え方もあるんッスね~。まあ、でも、自分、今のスタイルで困ってないんで」と言うのが落ち。いや、あなたが困ってなくても、あなたからセールスをうけてる私はとても困っているんですけど…。
そうすると、他人が言ってもなかなか行動が変わらないので、自ら痛い思いをして学んでいただくのが一番なんですよね。私もセールストークを聞きながら、「この人、いっぺん死ぬほどツライ目にあえばいいのにな~」と心の中で祈っていました。
仮に研修でこのような営業マンの行動を変えるならば、「ワザと失敗するしかけ」を入れて設計することになりますね。
この記事を書いた人
木田知廣
MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。
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