当社の人事向け勉強会の一環として、昨日、中原圭介先生をお迎えして講演会を開催しましたので、感想を共有します。
リアルに来るAIに仕事を奪われる時代?
中原先生の勉強会、テーマはAI(人工知能)、人口減少時代の人事のあり方を考えようというものです。
その中で印象的だったのが失業率の話。
中原先生曰く、人工知能が職場に採り入れられることは明白で、そうなると単純な事務作業は不要になって行くであろう、と。結果として失業率が上がるのではないかとの予測です。
これは、なるほど。確かにAIに仕事を奪われるという文脈の考察はよく聞きます。
AIが普及しないという地獄
ところが、中原先生はもう一つ別のシナリオも話してくださって、それが衝撃。
それは、AIが普及しないと言う未来。
中原先生曰く、日本のサラリーマン経営者は、AIに思い切って投資をするという決断ができないのではないか、と。実際に、今大きくAI導入に舵を切っているのは創業経営者がいる会社だそうです。
そうすると、グローバルの戦場では外国企業に負けてしまい、日本企業は業績悪化。やはり人を切らざるを得なくなり、やはり失業率は上がるのではないかとの予測です。
ちなみに、裏話的に話してくださったのですが、二つ目のシナリオはリクルートのワークス研究所所長、大久保幸夫さんとの会話の中から生まれてきたものだそうです。
米国におけるAIへの興味は
AIに関しては、日本は厳しい状況というのは分かったのですが、比較として米国を考えてみましょう。
先週参加した世界最大の人事カンファレンスATDでは、300を超えるセッションがありましたが、その中からAIに関するものをピックアップしてみました。
- Using AI and Analytics to Deliver High-Impact Leadership Development (効果的なリーダー育成のためのAIとアナリティクス利用法)
- Implementing Machine Learning and AI in Learning—Global Cases and Best Practices (機械学習とAI学習を実践する-グローバルなケースとベストプラクティス)
- Leveraging AI to Supercharge Sales Effectivene (営業の効率をスーパーチャージするAI活用法)
の三つです。
このタイトルを見る限り、米国においてはAIは「導入しようか、しまいか」と迷うものではなく、「どうやって活用して成果を上げるか」と言う位置づけであるように見えます。
米国に負けないためにも、AI導入に積極的に取り組むのも、人事部門の役割ではないかと思います。
この記事を書いた人
木田知廣
MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。
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