通常のTED形式ではなく、オンラインによるインタビュー形式なので、なかなか見応えありますね。

 

受け答えにそつがないZoom創業者のEric氏

こんにちは。MBAの三冠王ことシンメトリー・ジャパン代表の木田知廣です。

私のZoom創業者のEric Yuan氏への印象は、「頭がいい人だな~」というものです。質問への受け答えにそつがないんですよね。たとえば、動画の残り15:00のあたりで競合にどう対抗するかの質問が出ました。

ご存じのとおり、マイクロソフトのTeams(チームズ)のみならず、Googleもfacebookも、いまこのテレビ電話会議システムには力を入れているところです。それに対するEric氏の答えは、

競合は気にしていない。私たちが気にするのはあくまでも顧客だ。顧客のニーズに応えることが最重要だ

というものです。もう、教科書的で100点満点の回答ですね。競合への対抗策の手の内を、チラリとも見せないという観点で。

ただね、そうすると、動画を見ながらイライラしてくるわけですよ。「ぶっちゃけのところはどうなの?Ericさん?」と聞きたくて。今回は、インタビュアーが切り込んでくれたので、なかなか見応えのある動画になっていたと思います。

Zoom創業者に切り込むインタビュアー

ちなみに、このリモートのインタビュー形式で進むというスタイルは、以前も見たことがあります。6月頭に開催された「世界デジタルサミット2020 ~5G and NEXT~」がそれで、このブログでも紹介しています。ただ、その時にはインタビュアーの踏み込みが足りなくてやや物足りなさを感じてしまいました。

今回のインタビュアーSimone Ross氏は、「TED technology curator」という肩書きに恥じないいい仕事をされていると感じました。たとえば、残り時間10:50のあたりで、Zoomの社風(カルチャー)が話題に挙がります。Eric氏曰く、Zoomがよりセキュリティーとプライバシーを重視するようにカルチャーを変えていく必要がある、といったのに対して、Simone氏は、

How do you make the change?  Is it harder to change when everyone is remote?

そうは言っても、リモートワークの今の時期、カルチャーを変えるのはたいへんですよね?

と踏み込んだ質問をするのです。

同様に、残り時間9:09のあたりの採用の話も面白いものでした。リモートワークの今の時期だからこそ、全米から採用できるので、とてもいい条件だ、と言うのは納得です。

日本人にはあまり役立たないTED

ちなみに、私個人はあんまりTEDは見ないんですけどね、普通は。日本のビジネスパーソンにもときどき、「TEDの様なプレゼンテーションがやりたい」という人がいますが、いや、無理だって。無理というのは、スキル的に真似できないと言うことでなく、TEDの様な特殊な状況を真似しても意味がない、といいたいのです。あれは、

  • 世界的に伝える内容(コンテンツ)を持っている人が
  • 聞く気満点の聴衆を前に

話すという特殊性があってこそ成り立つスタイルですからね。なまじ真似するとろくなことがありません。昨年行ったATD ICE2019でも、TEDの劣化コピー版みたいなプレゼンが多くてウンザリしました。

でも、今回のように、適切なインタビュアーが適切な質問をしてくれるというスタイルなら、もっと見てみたいと思います。

zoom video photoPhoto by jurvetson

この記事を書いた人

MBAの三冠王木田知廣

木田知廣

MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。

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