この動乱の時代を載りきるヒントを探して改めて三国志を読み返しています…
って言うのはウソで、単に宮城谷先生の作品が好きなだけ。個人的にベストは孟嘗君だけど、三国志もそれに近くなる予感アリ。
この先生の作風はホント不思議で、冗長でカッタルイっちゃカッタルイんだけど、時々ハッと胸をうたれるような名言に出くわすのでやめられないと言う特徴があります。
この宮城谷版三国志も、スタートは「前史」。曹操が生まれるはる~か昔から。苦痛の(笑)、第一巻、第二巻を終え、第三巻から盛り上がってきましたよ。
名言をいくつか拾ってみましょう。
●陶謙が…かれは張温に招かれても喜ばず、銭で官位を買うような者に、どれほどの指揮ができようか、と内心侮蔑していた。ちなみに、この自尊心がのちにかれの経徳と行動をくらくしていく。…その点、戦うということに、つねに明るい遊侠をむけている孫堅の方が、軍事だけでなく諸事に卓然とした能力を発揮するようになる。
●いちど人を信じたかぎり、信じきってゆきたいというのが曹操の性状ではないか。人を疑えば、人は去るのである。それゆえ曹操はできそうでできぬことをしている、と鮑信は腹の底から感嘆したのである。
●苦しい戦いばかりをしてきた劉備は、これほどの快勝を経験したことはない。
将がちがうと軍もかわるものか
人はいちど大勝してみないと大きくなれないものだ、と劉備はつくづくおもった。ものごとがつぎつぎに好転していくのである。
●刎頸の交わりでも、終わる時がくる。
曹操は重耳と陳余の顛末をしっている。怨みせめるのであれば、己の徳の薄さを、であろう。
●「わたしが思うに、将軍は事に臨んで、懼れてばかりおられる。そうでなければ、どうして思慮を深めることをなさらないのですか」
群臣がいえぬことを程昱だけがいったといってよい。これまで曹操は臣下の提言をうけつけぬふんいきをつくってしまった。荀彧でさえ口をつぐんでいる。そこに高級官僚のにおいがするが、程昱には茨棘のちを素足で踏み越えてきたずぶとさがある。
この記事を書いた人
木田知廣
MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。
ブログには書けない「ぶっちゃけの話」はメールマガジンで配信中。