やや旧聞になりますが、2015年7月22日付日経新聞に、国際性+IT力、IMDが磨く スイスのビジネススクール デジタル講座を開講と題された記事がありました。いわく、スイスの名門ビジネススクールIMDでは、近年ITに力を入れているとのこと。「ITを駆使した経営モデルの変革が必要」ととなえるテュルパン学長の下、9月からは「デジタル・ビジネス・トランスフォーメーション」という講座を開講するようです。

それはそれで素晴らしいな、と思いつつ、「じゃあ、ビジネススクールの意義はなんなの?」と考えてしまいました。IT業界ではもともと、「MBAなんていらない。それくらいなら自分で起業しちゃえ」という考え方があって、先日もホリエモンこと堀江貴文氏が、「過度な学びは遠回りになるから危険」との説を述べています。

なんて話をしていると、MBAホルダー界隈から、「何を言っているんだ、そういう人はMBAの真価を理解していない」てな反論があるのですが、MBAで教えている立場から見ると、「MBA不要論」はうなづけなくはないのですよ。て言うのは、MBAのプログラムって国内だけでもものすごく増えたじゃないですか。そうすると、正直なところ「粗製濫造」って感じるところもあるんですよね。

先日も国内の某スクールを卒業した起業家2名に会いましたが、なんての、「幼いな~」と言うのが正直な印象。まあ、起業家として純粋なところを目指しているのは分かるんですが…。理屈先行で小難しい言葉だけを並べたって、ビジネスはうまく行かないんじゃないかな~って心配になってしまいました。

これ、世間の人が見たらどう思うかって言うと、やっぱり「MBAなんて言っても、たいしたことないな」という人が出てくるのは当然だと思うんですよね。なので、ある意味MBA不要論は正しいな、と感じています。てことは、要するにMBAって言う言葉でひとくくりしているのが悪いわけで、これからは単に「MBAホルダー」だけじゃなくて「どこの学校を出たの?」がますます問われると思うんですよね。もちろん、そんなのはヘッドハンティング業界では当たり前に言われてきたことなのですが、ようやく世間的にも認知されてきたというか。なので、これからMBA取得を考えている方は、ますます「どの学校に行くか」が重要になってくると思います。

ちなみに、ランキングだけをアテにして学校選択するのはダメですからね。もちろん、ランキングには自己成就的な側面がありますが、それでもそれ「だけ」に頼っちゃダメ。自分の目で確かめる必要があります。

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この記事を書いた人

MBAの三冠王木田知廣

木田知廣

MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。

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