ATDのICE (International Conference & Expo)、2日目の感想を共有します。ATDとはなんぞやというのはこちらから。
オプラ・ウィンフリーさんの説くリーダーシップ
まず参加したのはオプラ・ウィンフリーさんによる基調講演(Keynote speech)。ほぼ全参加者が集まるような場で、5,000人ぐらいは入りそうな大ホールで行われました。セッションの途中からはATD会長のトニー・ビンガム氏(Tony Bingham)も飛び入り?参加しての対談形式で、それはまるでアメリカの有名テレビ番組オプラ・ウィンフリー・ショーのような感じ。とはいえ、トニーさんはゲストに遠慮していたのでしょうか、ほとんど話さずにほぼオプラさんの「独演会」でしたが…
ちなみに、ここでのテーマは「リーダーシップ」。それも、「様々なスタイルを使い分ける」という理論的な話ではなく、物事を変えるために周りを引っ張っていくという観点で語られていたのが印象的です。
これは想像ですが、今回の基調講演はアフリカ系アメリカ人というオプラさんのマイノリティの視点が背景にあるのではないでしょうか。それが今や大統領に擬せられるほどの地位を獲得しているのは、ご自身でリーダーシップを発揮してきたからでしょう。だからこそ、多くの人にもリーダーシップを発揮してもらいたいというのがオプラさんの願いではないでしょうか。
最高だったボブ・パイクさんのセッション
ATD2日目の白眉とも言うべきは、ボブ・パイク (Bob Pike)さんのセッションです。「マスター・トレーナーのコツとテクニックと戦略トップ10 (Top 10 Tips, Techniques, and Strategies of a Master Trainer)」と題された講演は、ワークシートも配られて、とても学びが多いものになりました。内容は、いかに「忘却曲線」を乗り越えて学びを定着させるかというもので、そのための七つの方法論が紹介されました。
- Primacy
- Recency
- Chunking
- Linking
- Revisit (not review)
- Record to recall
- Outstandingness
というものです。
内容もさることながら、それを伝えるためのボブさんのセッション自体が学びが多いものでした。これぞまさに、講師養成の鑑。
必ずしも聞き手に優しくないATDのセッション
今回初めてATDのICEに出席しましたが、ボブさんのセッションのようにしっかりとした配付資料があったのは少数派。他のセッションは、ダウンロード資料があればまだましなほうで、手元資料が全くないというのはがっかりでした。
プレゼンターに聞いてみたいですけどね。「あなた、本当に聞き手のこと考えてるの?」って。だって、100人以上は入る大きな部屋なんですよ。遠くのスクリーンに小さい文字で書かれても、全く分からないじゃないですか。
これは、正直なところ、ATDに是正を求めたいところです。紙じゃなくてもいいから、配付資料をダウンロードできるのは必須にした方が良いのではないかと思いました。
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この記事を書いた人
木田知廣
MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。
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