ハーバード・ビジネスレビューに、「ズーム会議で集中力を維持する5つの方法」という記事が投稿されていたのでしょう介します。
こんにちは。MBAの三冠王ことシンメトリー・ジャパン代表の木田知廣です。
Zoomミーティングのリンゲルマン効果
心理学の用語で、「リンゲルマン効果」ってご存じですか?これは、フランスの農業工学者マックス・リンゲルマンが発見したのでこの名がつけられています。綱引きの実験に基づくものですが、仮に1人で綱引きしたとき発揮する力を10とします。では、10人がひとつのチームになって綱引きをすると?10 x 10人で100の力が出るかというとノー。チームの綱引きでは、1人の綱引きの力の総和を大きく下回ってしまうそうです。
これを、「ズーム会議で集中力を維持する5つの方法」の著者サラ・ガーシュマン氏は、
集団が大きくなればなるほど、個々人は成功を実現させる責任を感じなくなるのだ。
と端的にまとめています。そして、これがZoom会議にも当てはまる、と。そして、
ウェブ会議、特に電話会議では、リンゲルマン効果が増大する。実際に部屋にいて、会議のために「綱を引く」ことができない状況では、耳を傾け、参加する意欲が低下しやすい。自分が必要とされていないと感じるようになればなるほど、注意力は散漫になり、会議に貢献しなくなる。そして、会議への貢献が少なくなれば充実感も薄れる。
と問題提起してます。
Zoom会議で集中力を維持する5つの方法
と、ここまでは「あるある」だったのですが、その後の解決策が若干がっかり感が漂いました。いわく、
- 事前に、あなたにとっての価値を定義する
とのことなのですが…。いやね。4番目の「集中力を取り戻す」って言われても、それができないから苦労しているわけで…。
しかも、参加者が集中力を維持できないとしたら、ファシリテーターに問題があるんじゃないかと思うんですよね、むしろ。
だから、参加者自身が何をやるか、という切り口よりも、ファシリテーターはどうすべきか、をまとめた方が意味があると思います。
だからこそ、当社のZoomの使い方セミナーでもいろんな工夫を盛り込んでいるわけで。
著者はパブリックスピーキングのプロ
ちなみに、著者のサラ・ガーシュマン氏は、グリーン・ルーム・スピーカーズ社長とのこと。
同社はワシントンDCを拠点に話し方教室を展開する。ジョージタウン大学マクドノー経営大学院教授。世界中から集まった学生にパブリックスピーキングを教えている。
とのことなので、ファシリテーションにも一家言持つ方なのだと思います。せっかくだから、そこら辺のノウハウも盛り込んでもらえると、意義ある記事なったのではないかと思います。
ちなみに、ハーバード・ビジネスレビューはときどきこういう記事が載るんですよね。世界的にも著名な雑誌で権威があると思うのに、不思議。
この記事を書いた人
木田知廣
MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。
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