実はいろいろあった男女不平等指数

先週の「MBAの心理学」の中では、金沢大学の杉橋やよい准教授の論考が面白かったですね。いわく、世界にはいろいろなジェンダーギャップを測る指数がある、と。

私なりにまとめたのが下表になります。

名称 測定項目 2009年日本の順位
ジェンダー開発指数(GDI: Gender Development Index) 平均寿命、教育水準、勤労推定所得など 10/182
ジェンダー・エンパワーメント尺度(GEM: Gender Empowerment Measure) 国会議員の女性割合、専門職・技術職や管理職に占める女性割合、勤労推定所得の男女間の不平等 57/109

ジェンダー不平等指数(GII: Gender Inequality Index)

上記、GDI、GEMを2010年に置き換える形で発足。国連開発計画(UNDP)が発表 12/138
世界ジェンダーギャップ指数(GGGI: Global Gender Gap Index) 経済、教育、政治および健康の4分野14 指標。世界経済フォーラムが発表 94/134 (2010年)

提言として、

どれほど改良しようとも、複雑で多方面に見られるジェンダー不平等をすべて反映することはできず、限定的な情報しか提供できないのである。利用者である我々は、そもそも統計データを鵜呑みにしないで、現実のジェンダー問題と照らし合わせて判断する必要がある。

というのは、まさに正鵠を射ている気がします。ここら辺はMBAランキングにも通じるところはありそう。

男性が不幸な国、日本

一方で、日本では一貫して男性の幸福度が女性のそれを下回っているというデータにも、うなづけるものがある。

過度な役割を期待されて疲弊する男性と、過小な役割しか与えられなくて不満を持つ女性、と言う構図なのかも。そうすると、ジェンダーギャップを解消するひとつの打ち手としては、「いかに男性の幸福度を上げるか」、というのもある気がしますね。

自分で決めたいと追従欲求のバランス

もう一つ、面白い、というか興味深い話題が、英国官僚の死亡率の調査。

これもすごく直感的に理解できて、問題の本質は「コントロール感」にあると思いました。エレン・ランガー先生による老人ホーム慰問実験も、似たような結論になっているわけで。

一方で、人間には追従欲求があるのもまた事実。そのバランスをどう取るか、と言うことなんでしょうね。

この記事を書いた人

MBAの三冠王木田知廣

木田知廣

MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。

ブログには書けない「ぶっちゃけの話」はメールマガジンで配信中