最後通牒ゲームとは
ここのところの「MBAの心理学」では最後通牒ゲームを取り上げています。
【MBAの心理学】ギュート考案の最後通牒ゲーム。Aさんに1000円渡し、そのうちいくらかをBさんと分け合ってもらう。Bさんは金額によっては「ノー」を言う権利あり。その場合AさんもBさんもお金を受け取れない。純粋に経済的に考えるならば、999円対1円でもBさんは得することになるが pic.twitter.com/GOUAPgguol
— 木田知廣 (マサチューセッツ大学MBA講師) (@kidatomohiro) December 5, 2022
という実験の結果がこちら。
【MBAの心理学】ヘンリックによる世界規模の最後通牒ゲーム。世界平均で見ると1,000円のうち3-400円をBさんと分け合う。日本では420円。もっとも気前が良いのはインドネシアの部族で570円をBさんにあげた。鯨をモリで捕って獲物を公平に分け合う文化が関連しているとの仮説 pic.twitter.com/Te7L0IzF4B
— 木田知廣 (マサチューセッツ大学MBA講師) (@kidatomohiro) December 12, 2022
というのにたまらなく興味をそそられますね。人間の「本性」ってそうなんだ、と。
動物にもある最後通牒ゲーム的な心のはたらき
ところが。面白いのは人間だけではなく、サルにもこのような不公平を憎む心があるとのこと。
【MBAの心理学】ドゥ・ヴァールによるサルの不公平忌避。2頭に同じ作業をさせた後、ご褒美として1頭にはサルの好物のブドウを、もう1頭にはキュウリを与えた。キュウリを与えられたサルは激しく怒る https://t.co/a463UmdgQ7 #心理学 #MBA
— 木田知廣 (マサチューセッツ大学MBA講師) (@kidatomohiro) December 7, 2022
ちなみに、犬やオオカミにもこの不公平忌避はあるそうで、群れで暮らす進化の過程で心のメカニズムが整ったと言うことなのでしょう。
最後通牒的ゲームの別バージョン、独裁者ゲーム
さらに面白いのは、別バージョンとしての「独裁者ゲーム」。
【MBAの心理学】最後通牒ゲームの別バージョン、独裁者ゲーム。Bさんには提示された金額にかかわらずノーと言う権利はない。この場合、Bさんと分け合うのは200円から300円に。独裁者的な力があっても20%を相手と分け合うわけで、脳神経学者の藤井直敬は、「20%の希望」と呼んだ pic.twitter.com/XBnIh4hVxA
— 木田知廣 (マサチューセッツ大学MBA講師) (@kidatomohiro) December 13, 2022
この20%という数字が示唆的で、80:20の法則を思い出させます。例の、80%の成果は20%のかつ動画から生まれているというやつ。なんだか人生全体につながる指標の気がします。
この記事を書いた人
木田知廣
MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。
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