1 on 1やオンボーディング、さらに古くはコーチングなど、日本の人材マネジメントはアメリカを「後追い」しています。と言うことは、アメリカ発の人材マネジメントを知れば、日本の「先読み」ができるのです。とはいえ、チェックすべき情報は膨大。その中から日本語・英語問わず、クオリティの高い情報ソースを紹介します。具体的には、下記が全リストです。

ATD、Association for Talent Developmentのブログ、ニューズウィーク、クーリエ・ジャポン、ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー。カーネギーメロン大学や個人のブログ。

アメリカを後追いする日本の人材育成

先日、オンボーディングの勉強会の講師をしました。そうするとある方からは、「いや、木田さん、さすが情報通ですね。オンボーディングについても詳しいなんて」ってお褒めの言葉をいただいたのですが、実は種があります。それが、アメリカの人事の業界団体、ATDのブログをチェックすることなんです。他者に先駆けて人材育成法をアップデートしたい方は、最後までご覧下さい。

人材育成では、アメリカ発の手法がよく採り入れられます。最近で言えば、1 on 1、あるいはオンボーディング、はたまた、「ディーセントワーク」なんて言葉も生まれています。

世界最大の人材育成カンファレンスATD

こういう最新トレンドをチェックする方法が、ATDのブログをチェックすることなんです。ATDってのは、Association for Talent Development。タレントって言っても、テレビの芸能人ではないです。能力って意味。つまり、能力開発の業界団体で、世界最大のものです。

このサイトの中にブログがあるんですけど、そこを定期的にチェックすると、へぇ~、みたいのが分かります。たとえば、オンボーディングに関しても、「なるほど、最近はビデオによるオンボーディングに注目が集まっているんだな」とか、「オンボーディングの進化形として「エバーボーディング」なんて言葉も出てきたんだな」とか。

あとで概要欄にATDのサイトなど、この動画で紹介する情報源を掲載しておきますね。

という話をすると、「私、英語苦手ですから」って言う人がいますが、大丈夫です。google翻訳がありますからね。私だって、日本人にしては英語ができる方だと思いますけど、ブログを斜め読みするときには翻訳してざっと読みます。

なんでかって言うと、正直、ATDのサイトに掲載されている記事のクオリティは玉石混淆。っていうか、石の方が多い印象。あれ、きっと営業目的で寄稿している人が多いんでしょうね。最初はフンフンって読んでいても、気づけば自社サービスの紹介になっていて、「おいおい、宣伝かよ」って思います。だから、斜め読み。もし面白い記事があれば、逆に英語で読み直してみる、なんてことをやっています。

ちなみにこのATD、オンラインだけじゃなくてリアルのイベントもやっています。というか、そもそもは業界団体みたいな位置づけですね。毎年毎年大きい、1万人以上の参加者を集めるイベントをやっています。名前は、ICE: International Conference & Expoって言います。

私も、2019年のカンファレンスに参加しました。参加費がお高くて、20万円ぐらい。加えて、ワシントンDCで開催だったので、そこまでの旅費と宿泊代。結構いいお買い物でしたけど…

内容は、正直言って期待外れですね。あんまり大きな声じゃ言えないけれど。カンファレンスと言うからには、色んなセッションがあるわけじゃないですか。でも、そこに登壇する人のレベルがね。これ以上は、あまり言いませんので、もしご興味がある方はお問い合わせいただいたら、個別にお話しさせていただきます。

なので、ATDはオンラインでチェックしておけばいいかな、という感じです。そこで面白い記事を見たら、その筆者の人に直接連絡を取ればいいわけですからね。いまなら、スカイプ打合せもあるし。

ATD以外の情報ソース

さあ、ではATD以外の海外情報のソースです。まずわかりやすく日本語での出版物。これは二つで、ニューズウィークとクーリエ・ジャポンです。日本の媒体は、海外の情報がやっぱり手薄になるので、アメリカ発のニューズウィークとクーリエ・ジャポンはフランス発なのかな?切り口がちょっと違って面白いです。

では次。ハーバード・ビジネス・レビュー。HBRって略してますけど、あのハーバード・ビジネススクールの出版部門が発行しているので、王道的なものですね。ただ、ときどき微妙な記事が載っているのが善し悪し、という感じはありますけれど。ん?日本だとダイヤモンド社さんが発行しているのか。ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レビューって言いますね。

では次。英語の情報源も。これはブログとかですかね、やっぱり。テクノロジー系を押さえるために、カーネギーメロン大学の「ユニバーシティー・ニュース」ってのは押さえています。あとはEdTech Magazineか。

ホントは個人ブログも押さえておいた方が良いんですけどね。ちょっとそこまでは手が回りきっていないかな。お名前だけ挙げると、テリー・グリフィスTerri Griffith、ジョッシュ・バージン JOSH BERSIN、デイブ・ウルリッヒ Dave Ulrich、あ、もちろんリンダ・グラットン先生もLynda Gratton。リンダ先生は、例のワークシフトの著者ですけどね。実は私の恩師の一人でもあるんですよ。もうね、リンダ先生のおかげで、ロンドン・ビジネススクールから奨学金をもらえたぐらいの勢いで、恩人ですね。

では、まとめます。日本の人事トレンドの先読みをするためにはアメリカの情報をチェックするといいですよ。そのためにオススメがATD、Association for Talent Developmentのブログをチェックすること。それ以外には、日本語媒体ではニューズウィークとクーリエ・ジャポン、ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー。英語媒体では、カーネギーメロン大学や個人のブログ、となりました。もしご興味をお持ちいただけたら、ぜひチェックしてみて下さい。

この記事を書いた人

MBAの三冠王木田知廣

木田知廣

MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。

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