豊昇龍関が横綱に昇進とのことですが、それを決定した横綱審議か一手なんだろう?と感じました。

審査基準が甘かった?豊昇龍関の横綱昇進

まずは豊昇龍関、横綱昇進おめでとうございます。琴櫻関との本割、巴戦での連勝も圧勝に見えました。一方で、個人的には横綱昇進は早いかな、という気がします。それは、豊昇龍関がどうこうと言うよりも、横綱という地位の重さゆえ。大関ならば、たとえ陥落しても相撲を続けることは出来ます。でも横綱は負け越しはゆるされず、即引退につながるわけで、そこまでの安定感を求められるのは酷だな、と思うのです。

ましてや今の大相撲界は戦国時代。尊富士関の新入幕優勝に診られるように、実力が拮抗している中、勝ち続けるのはたいへんです。

ちなみに、こういう感想は私だけではなく、本日(2025/01/28)付の日経新聞も同じようなトーンでした。「横綱・豊昇龍誕生へ 下がったハードル、背負った宿命」と題された記事から引用してみましょう。

過去の昇進事例に照らすと今回の昇進はかなり甘い。直近2場所の内規をクリアしたとはいえ、その前の2場所は9勝と8勝。直近3場所でみた計33勝は、1場所15日制が定着した1949年夏場所以降に誕生した横綱33人のうち、千代の山と柏戸に並んで最も少ない。

日経新聞はさらに、照ノ富士関の引退に伴って横綱が空位になることを相撲協会が嫌ったのではないかとの憶測もしています。

ちなみに、記事中にも触れられていますが、個人的にこの手の話が出るたびに思い出すのが双羽黒関。優勝経験がないままに横綱に昇進したわけですが、その後あっさり廃業。冒険格闘家北尾として活躍されたのですが、55歳の若さで早世しています(合掌)。それこそ相撲に「たら、れば」はないわけですが、もしも双羽黒関が横綱に昇進していなければ、また別の人生もあったのではないかと想像します。

横綱審議委員会はさらなる議論の透明性を

さて、その横綱昇進を決めるのが横綱審議委員会。メンバーは下記の方々だそうですが、大事な決定をするにあたって、「何をどう決めているのか」が明確には感じられません。一部報道では豊昇龍関に「品格」を求めた意見もあったそうですが、だったら推薦を取りやめればいいのに…

もちろん、横綱審議委員会も任期制(最長10年)、審査基準の明確化などでガバナンスを効かせる努力をされているとは思いますが、それでも人の一生を左右するような推薦ですから、さらなる議論の過程の透明化など欲しいところです。

翻って社会全体を見れば、フジテレビが今、ガバナンス不全により大炎上しています。主観的な評価でモノゴトを密室で決めるのが難しい時代ということなのでしょう。

横綱審議委員会メンバー (敬称略、2025/01/28時点)

役職 氏名 肩書
委員長 山内 昌之 東京大学名誉教授
委員 都倉 俊一 日本音楽著作権協会会長
委員 丹呉 泰健 日本たばこ産業会長
委員 大島 宇一郎 中日新聞社社長
委員 池坊 保子 元政治家
委員 紺野 美沙子 俳優
委員 上原 茂 大正製薬社長
委員 大島 理森 元政治家
委員 鹿島 茂 フランス文学者

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この記事を書いた人

MBAの三冠王木田知廣

木田知廣

MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。

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