JETROさんの主催する「ビジネス・ディベロップメント研修『コミュニケーション編』」に講師として登壇させていただくことになりました。
このプログラム、かなり野心的で、この研修の参加者が実際にシリコンバレーに行ってビジネスを起こす力を身につけることを狙っています。実際に参加者のうち何人かは直後にサンフランシスコで開催されるイベント、「TechCrunch / Disrupt SF 2015」に参加されるとのこと。このイベントはどちらかというとIT系ですが(ソフトバンクの孫さんの後継者と目されるアローラさんもスピーカーとして登壇予定)、他にも製造業の方々も、研修には参加されます。完全なスタートアップと言うよりは、どちらかというと既に独自の技術を持ってビジネスを活用している企業さんが、新たな事業展開のためにシリコンバレーにいく、というスタンスですね。
もしも、このような位置づけにピンと来た会社さんがあればぜひご応募下さい。定員もそろそろ一杯になりそうみたいなので、お早めに。
なお、今回は研修全体の監修をスティーブ・パーラックさんにお願いしています。スティーブさんといえば、日経系の媒体にコラムを書いていたのでご存じの方もいるかもしれませんが、日米のビジネスやシリコンバレーのスタートアップに関して、も・の・す・ご・く、詳しいので、スティーブさんの話を聞くだけでも参考になるところ大、だと思います。
さて、シリコンバレーですが、私が彼の地を訪問したのが2000年4月。ちょうどドットコムバブルがはじけそうで、「この先、どうなる?」みたいな空気が漂っていました。訪問の目的は、企業見学。当時はまだロンドン・ビジネススクールに在学中だったのですが、学生が集まってみんなで訪問したのです。てな事考えながら昔のファイルを検索してたら、この直後に書いた文章が出てきた。いわく目的に関しては、
– 何がシリコンバレーをシリコンバレーたらしめているかのマクロの観察(ハーバード・ビジネス・スクールのM・ポーターいうところの"クラスター効果"の確認)
– スタートアップ企業における人材マネジメントの実際の観察(創業者たちはどのようにして一緒に働くことになったのか、優秀な社員を採用・定着させるしくみは、等々)
– この旅行のような"企画物"を計画・実行するノウハウの蓄積
– LBS内での人脈づくり
というのがあります。とくに最後の2点を実現するために、このシリコンバレー・トリップの実行委員の一人として働いたことが、実は今回の旅行の最大の収穫となりました。
と。んで、実際に行ってみた感想としては、
さて最後に会社を見学した印象を(考えてみればこちらの方が本題だった)。細かいところははしょっておおざっぱな話をすると、"浮ついている"というのが全体を通しての感想です。とくにスタートアップ企業は。とはいえ、これでもおそらくシリコンバレーでは起業の最盛期は過ぎて淘汰の時期に入っているようですから、最盛期にはもっと地に足がついていなかったと想像されます。創業者もとくにカリスマ性やリーダーシップを感じさせるものはなく、"どこにいるこんなボクでも起業して株式公開までできちゃった(で、超大金持ち♪)"というのが、アメリカの起業ブームの良い点でもあり悪い点でもあるのではないかと思いました。
だそうです。ある意味失礼な感想ですが、これはこれで真相をついているかな、という気もしますね。
んでこれ、今も変わっていないと思うんですよね。結局のところはシリコンバレーに人が集まる最大の動機は「カネ」なわけで、もちろんそれだけじゃないけど、ここを読み違えるとあまり意味がないかと思います。
Photo by Kevin Krejci
この記事を書いた人
木田知廣
MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。
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