上司であれば、「部下に行動を変えて欲しい」と思うこともあるでしょう。そんなときに手にとりたいのが中原淳先生のご著書、「フィードバック入門 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術」です。
フィードバックの5ステップ
こんにちは。MBAの三冠王ことシンメトリー・ジャパン代表の木田知廣です。
相手に期待した行動を取ってもらうことを、私たちはLeADER原則(リーダー原則)という言葉で表しています。Let thE Audience Do the Expected Reactoinの頭文字を取ったものですね。これを実現するためにはフィードバックは必須。そのノウハウをまとめたのが今回紹介する本です。
著者の中原先生いわく、フィードバックにはダンドリがあると。それが下記の5ステップです。
- 事前:情報収集 (SBI)
- 信頼感の確保
- 事実通知:鏡のように情報を通知する
- 問題行動の腹落とし:対話を通して現状と目標のギャップを意識化させる
- 振り返り支援:振り返りによる真因追求、未来の行動計画作り
- 期待通知:自己効力感を高めて、コミットさせる
- 事後:フォローアップ
フィードバックというと、ついつい「話し方」に意識が集中しがちですが、それだけでなく、事前・事後まで含めて考えるべきとのこと。ちなみに、事前の情報収集の段階でのSBIとは、Situation, Behavior, Impactの頭文字を取ったもの。具体的には、
A社のプロジェクトを担当してもらったけれど (Situation)
君のスケジュール管理に不備があったことで (Behavior)
納期が1週間も送れてしまったようだね (Impact)
のようなイメージになります。
フィードバックで「使える」セリフも
フィードバックの際、良くあるケースを部下のタイプ別に紹介しているのも本書の魅力です。たとえば、上司がコメントすると、
「やり方を教わっていなかった」、「○○さんにこうやれと言われた」、「ルールがないから」
など、言い訳する部下っていますよね。そんな人に対しては、
あなたも「傍観者」ではなく、当事者として問題に向き合って下さい。さっきの君の発言は「傍観者」のものに聞こえます」
とズバリと言うことを著者の中原先生は提唱されています。
部下にネガティブなことを言わなければフィードバックのときって、どう返したらいいか分からないときってあるじゃないですか。そんなときに「使える」具体的なセリフは頭の中にストックしておきたいものです。
自分で「できる」ようになるためには鍛錬が必要
一方で、本書に述べられている方法論を、自分ができるかというと、はなはだ自信がありません。
私こう見えて、講師の仕事も多いので、フィードバック離れているはずじゃないですか?性格的にも、人の感情を極度に忖度するタイプではありません。でも、本書で述べられている方法論をできる自信はないですね~。
腹をくくって下さい。
相手から逃げないで下さい。
しっかりと相手に向き合って下さい。
と、中原先生は繰り返し述べられています。まずはこの境地に達するまで、自己鍛錬が必要ですね。
画像はアマゾンさんからお借りしました。
この記事を書いた人
木田知廣
MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。
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