傲慢という病、ヒュブリス症候群
「ヒュブリス症候群」というのは、なかなか面白い(恐ろしい)ですね。
【MBAの心理学】デビッド・オーウェンによると、CEOになると脳にダメージを受ける。ヒュブリス症候群と呼ばれる、自己肥大がそれ。権力者とそれほど権力を持たない人の脳波を調べると、共感力を発揮するとき不可欠な「ミラーリング」という神経プロセスが、権力を行使すると損なわれるとのこと pic.twitter.com/h6x5icUT0e
— 木田知廣 (マサチューセッツ大学MBA講師) (@kidatomohiro) January 3, 2023
ちなみに、「ヒュブリス」はもともとギリシャ語由来であり、もともとは神に対する傲慢なふるまいをさしていたそうです。それが、オーウェン先生の定義によれば、他者への傲慢さになったということ。
日本語ではよく片田珠美先生の『オレ様化する人たち あなたの隣の傲慢症候群』という書籍とともに解説されることが多いようですが、もともとのオーウェン先生の説とは微妙に違う気がする。オーウェン先生の説のポイントは、脳内の神経プロセスにダメージを受けるとのことなので、単なる「人格が変わる」以上に脳の配線が変わる不可逆な変化を意味するような気がします(要検証)。
考えてみると、アメリカの巨大企業のトップは私生活において離婚する確率が高いような気がします。ビルもジェフもジャックも。ひょっとしたらこのヒュブリス症候群と関係しているのかもしれないですね。
信頼を得る6つの要素
ヒュブリス症候群の逆が、信頼を得る方法。これはこれで説得力がある。
【MBAの心理学】メイヤーらは、他者から信頼を得るには6つの要素が必要と提唱。1.有能であること、2.誠実であること、3.慈悲深いこと、4.開放的であること、5.公正であること、6.一貫性があること。リーダーは意識的に6つの要素を自己涵養する #心理学 #MBA pic.twitter.com/XVyLvtWXBW
— 木田知廣 (マサチューセッツ大学MBA講師) (@kidatomohiro) January 5, 2023
一方で、ここでいう「信頼」って何?という話はある。原語では”Trust”だけど、”Credit” (信用)との使い分けがどうなっているかは知りたいところ。何でかっていうと、フラゲイル先生の「特異性信用」もすごく説得力があるから。
【MBAの心理学】ノースカロライナ大学のアリソン・フラゲイルによると、組織の中での「信用」には二つある。「オレたち仲間だ」というメンバー性信用と「あいつはモノが違う」という特異性信用。(非公式の)地位がなく特異性信用を勝ち得ていない人が意見やアイデアを出すと嫌われやすい。 pic.twitter.com/SsKvfa33uj
— 木田知廣 (マサチューセッツ大学MBA講師) (@kidatomohiro) September 15, 2021
この記事を書いた人
木田知廣
MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。
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