先日のNHKスペシャル「シリーズ 原発危機 第1回 事故はなぜ深刻化したのか」って見ました?
3ヶ月近くたってようやく事故の全貌が見えてきましたが、想像もできないくらい危険な状況だったんだなぁと背筋が寒くなります。
そんな中、メルトダウンの危険を回避するために、本社からの命令に背いてまで海水注入を止めなかった吉田昌郎所長の英断には心から拍手を送りたいですね。
ただ、東電本社としては吉田所長を処分することも検討しているようですが…納得いかないですよね~
もちろん、組織統制の論理としては分かりますが、現場に近くて専門性も高い人が自らの判断でとった最高の決断を否定してしまっては、今後に大きな禍根を残すことになるでしょう。
たとえば、もし同じような場面があったら、「社内で処分されたらイヤだから、たとえ自分の判断とは違っても本部の言うことを聞いておこう」なんて思う東京電力の社員が増えていくのではないかと懸念します。
なんてことをつらつら考えていたら思い出したのが、スマントラ・ゴシャール師匠の名著「個を活かす企業」。
たしかあの中でも、GEだったかな?一部門の長が主体性を発揮したことにより、負け犬だったビジネスを大きく転換させた、と言う話が載っていたかと思います。
スマントラは(と、いつもそう呼んでいたようにここでも呼ばせてもらいますが)、組織の論理と個人の主体性を二律背反では捉えていなかった気がしますね。
そう、”or”の思想じゃなくて”and”の思想。
彼は、戦略、異文化組織、個々人の解放…といろんなテーマに興味を持っていましたが、”and”の思想がその底流を貫くものであったと思うのです。
とか言って、実は吉田所長もその辺は実は意識されているかもしれませんけど。
ある報道によると、吉田所長は社内でも「原子力村」と呼ばれる原発関係者の領収として強い発言権を持っていたとのこと。
そう、「専門スキルを高める」、「同意見のグループを掲載する」など、「影響力の五大源泉」を意識していたのかもしれません。
だからこそあの「英断」ができたのだと思うと、いっそう心強く思います。
この記事を書いた人
木田知廣
MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。
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