「『いい講師』って何なんですかねぇ…」
と、途方に暮れたようにつぶやいたのは、私のクライアント。
当社は「人材育成コンサルティング」というのを提供していて、要するに人材育成の担当者になったはいいけど、どうしよう?という人の悩みにお答えするものです。
その会社では、人材育成の一環を社内講師が担っているため、その育成が課題になっているのだとか。ただ、「社内講師」といってもそれが専門になっているわけではなく、普通の業務をしている人が講師としても登壇するという形です。
というのを表したのがこちらの図です。
三角形が横線で三分割されていますが、一番上のパートは目で見えるところを表します(目のアイコン、分かるでしょうか?)
ただ、講師にとって大事なのは実はその下段。目に見える行動の背後にある考え方です。先ほどのエース級の方でいえば、「何を狙って早口で話しているのか」、「そのねらいが達成されたかどうかはどうやって判断しているのか」、「そのねらいのために早口以外で意識している行動はあるか」などが分かると、その人をマネしていい講師の養成につながるのです。
これ、実際によくあることで、講師に限らずどんな分野でも、ハイパフォーマーの人が自分の行動の背後にある考え方を他者に言葉で説明できるとは限らないんです。
いわば、長島茂雄さんのようなものでしょうか。「どうやってヒットを打つのか?」という問いに対して長嶋さんが答えたのは、「グーッと来たのを、バシャッとたたけばいいんだよ」、と。
おそらくご本人の中では間違いない感覚として実在するのでしょうが、他人がそれを聞いて分かるかというと別問題。
ということで、インタビュー(聞き取り)により、そのエース級の人材の考え方を掘り下げるという方向になりました。
実際には、いろいろあってインタビューはしなかったのですが、こんな考え方が分かると社内講師養成の時に、役立てていただけるかも知れません。
この記事を書いた人
木田知廣
MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。
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