ティーチング・ポートフォリオはエビデンスに基づいた講師育成

2017/10/30付の日経新聞に「ティーチング・ポートフォリオ」という記事が掲載されていました。ファカルティ・デベロップメント(講師養成)の一環と理解しましたが、

教育活動の理念を中心にまとめた文書

のことを指すそうです。ただ、これだとよく分からないのでネットで検索してみると、「ティーチング・ポートフォリオ・ネット」さんにより詳しい解説があり、

ティーチング・ポートフォリオとは,自らの教育活動について振り返って記述された本文とこれらの記述を裏づけた資料(エビデンス)から構成される教育業績についての厳選された記録です。教育改善あるいは教育業績の評価を主たる目的として作成しますが,ティーチングに関する優れた知識の共有あるいは情報の発信のツールとしても用いることができます。

ということで、講師自身が自らの行動を振り返るための材料と言うことでしょう。「エビデンス」というのが気になるところですが、たとえば学校教育であれば子供のテストの点数なんかがエビデンスになるのかもしれません。

ティーチング・ポートフォリオを実現する7項目

一方、日経新聞の記事に戻ると、こちらはどちらかというと

教師として大切にしたい理念を見つけ、その理念と実際の授業内容とのギャップを把握しながら指導のスキルを高めるのが狙い

とのことで、より理念に重点が置かれているような気がします。実際に、今年の9月下旬に行ったワークショップでも、付箋を使ってTP(ティーチング・ポートフォリオ)チャートを作成したとのことですので、KJ法的に自身の価値観をまとめていったと想像します。と思ったら、これも上記のティーチング・ポートフォリオ・ネットさんにTPチャートのpdf版が掲載されていました。全体として7項目に分かれ、理念、を最上位概念としつつ、

  • 理念
  • 目標
  • 方針
  • 方法
  • 改善・努力
  • 成果・評価
  • 責任

を埋めていくというスタイルになっています。

2020年度の大学入試改革を控え、学校の先生の間でもそれに対応する動きが広まっているのは印象的です。

portfolio photoPhoto by staceysvendsen

この記事を書いた人

MBAの三冠王木田知廣

木田知廣

MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。

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