先週土曜日の講師養成講座で、面白い(interesting)ご質問をいろいろといただいたので、下記に考察を書きました。

学んだことの定着化には、セミナー前後

まずは学んだことの定着化と行動化。セミナーであれ研修であれ、学ぶこと自体は目的ではなく、その後の行動であるとは、私たちがLeADER(リーダー)原則の名の下に強調しているところです。

これを実現するためのテクニック、たとえばQ(問いかけ)による思考の絞り込みやクリアリングでやる気をかき立てるというのはセミナー中で話したとおり。

一方で、セミナーや研修の前後にもできることはあって、たとえばそれは講義後のフォローアップ。

先日米国で参加した世界最大の人事カンファレンス、ATDでも「チャットボット」を利用したフォローアップが、定着化と行動変容には有効であると報告されていました

抽象的な学びを具体化する

次は、ラーニングポイントの具体化です。

講師というのは、自身の具体的な体験談を抽象化して学びのポイントとする(LP: Learning Point)のが重要であるとは、土曜日の講座で説明したとおり。学習マトリックスで言うと、C→Aの遷移ですね。

学習マトリックス

一方で、抽象的なLPの「まま」だと、聞き手の行動につながりません。そこで、学習マトリックスのB→Dの遷移、つまり「アクショナブル化」が必要になります。

そのコツは?というのが昨日の講義中にいただいたご質問。その場では答えられなかったのですが、これには「行動分析学」が役立ちます。

行動分析学は、心理学の手法をマネジメントに応用したもので、部下の指導・育成にあたってはその「行動」に着目しようというものです。この投稿の最後にいくつか参考文献を記載しましたので、ご興味があればチェックください。

そして、もう一つお勧めの手法が「キーワード化」。土曜日の講座でお気づきの方も多かったと思いますが、ITEM法、PFD、QP法など、ファシリテーションで使うテクニックに名前をつけています。これは、名前(キーワード)をキッカケに思い出しやすくするため。仕事の現場に戻ったときも、「そうだ、ITEM法を使ってみよう」など発想につながり、アクショナブル化に貢献します。

適切な緊張を持つために

もう一ついただいたご質問が、「適切な緊張感を持つためにはどうしたら良いか?」というもの。これはちょっと意表を突かれた質問で、これまで「緊張を緩和する」方法はいろいろと考えましたが、「緊張を高める」というのは思い至らなかったです。

ご質問を拡大解釈するならば、「講師としての正しい心の持ちようは」ということになろうかと思いますが、これについては、もう少し考察を深める必要があります。

行動分析学参考文献

この記事を書いた人

MBAの三冠王木田知廣

木田知廣

MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。

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