多くの日本人が苦手にしている交渉<ネゴシエーション>ところが、発想を切り替えるだけで気軽に、そして上手に取り組めるようになる。その意外な方法とは…

MBAでガラッと変わった交渉への印象

交渉事<ネゴシエーション>、好きではないという方、多いですよね。というか私も昔はそうでした。たとえば、海外に行った時のお土産物屋。現地では値切り交渉は当たり前。値札では10ドルだけど、7ドルにならない、なんて。めんどくさいな~と言い値で買ってしまうとか。

ところが、海外のMBAには交渉術<ネゴシエーション>の講義があるんです。必修科目ではないですけれども、2年生のときに選択科目であったんで、そこで体系的に習いました。恩師はインド人のマダン先生です。もおね、インド人で交渉術の講師って言うだけで、凄そうじゃないですか。そのマダン先生のおかげで、交渉に関するイメージがガラッと変わりました。

交渉が苦手な人の間違ったイメージ

マダン先生曰く、交渉が苦手な人は交渉に対して持っているイメージが間違っているのだとか。そういう人の頭の中は、「交渉とは決まった大きさのパイの取り合い」というイメージなんです。そうすると、とにかく自分が主張して、取り分を大きくしようと思います。冒頭のお土産屋さんの例でいえば、徹底的に値段だけにこだわって、しつこく交渉しようとする。だって、あっちが得すればこっちが損するわけですから。

ところが、交渉上手な人は、こういう場合には別の条件を持ち出すんですって。つまり、値段だけで勝負をしないと言うことです。たとえば、じゃあ二つ買うから15ドルに負けてくれない?と数量を持ち出したり、勝ったらその場でツイッターで宣伝するから、7ドルに負けてくれない?と宣伝を持ち出したり。

これならば、交渉の結果としてみんながハッピーになります。お土産店のおじさんも宣伝できてハッピー、私も7ドルで買えてハッピー。つまり、交渉とは、決まった大きさのパイを取り合うのではなく、パイを大きくして分け合うことなんです。こういう発想を持っている人は交渉が上手なんです。

ビジネスで上手に交渉できる人の考え方

ビジネスでの交渉だってそうじゃないですか。何かを販売する時、値段だけでは決まらない場合があります。そういうときには、他の条件を持ち出すんです。たとえば、QCD、クオリティつまり品質、コストつまり値段、デリバリーは納期。特急料金なんて言いますが、納期を早く希望するんだったら値段を上げて下さいね、なんてよくあるけーすです。あるいは、品質が高いサービスは値段もお高く、もよくありますね。

ただ、いざ交渉の場になると、視野狭窄というかものの見え方が狭くなって、ついつい値段だけにこだわってしまうときってあります。本当の交渉上手は、そんなときでも様々な条件を考えられる人なんです。

ぜひ今回のライブ配信を参考に、交渉に対するイメージを変えていただいて、交渉好きに、そして交渉上手になっていただければ幸いです。

 

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この記事を書いた人

MBAの三冠王木田知廣

木田知廣

MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。

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