リモート講義が当たり前になった昨今ですが、講師をやるときにZoomに慣れていない人も散見されます。「講師としての腕が確かなら、Zoomは別にいいじゃないか…」と思いがちですが、これは誤解。これだけZoomが当たり前になった時代だから、「講師としてZoomに慣れる」必要性はむしろ高まっています。そのための具体的な方法論を解説します。
講師ならば慣れておきたいZoom
仕事で講師をやっているプロ講師の方ならば、リモート講義に慣れていただくといいのではないでしょうか。たとえば、ZoomならZoomでの講義に慣れる。それも、1参加者としてでなく、「講師としてZoomに慣れる」事が必要です。特に最近は、法人の研修の案件でも、対面かリモートかで迷っている状況があります。対面でやるつもりだったんだけど、直前になってやっぱりリモートにしましょう、とかね。そういうときにも対応できるようになりましょう、ということです。
そして、「講師としてZoomに慣れる」ためには、実はおすすめの方法があります。それが、ZoomならZoomの使い方そのものを教えることなんです。実は私がこれでした。最初は、Zoomも「おそる、おそる」です。もちろん、基本的な機能は押さえています。そして、講師をやるのも慣れている。ところが、受講者の方からはいろんな質問が来るのがたいへん。
もうね、こっちが想定していない質問が来るわけです。そういうのに一つ一つ答えていくうちに、気づけば、「あ、Zoomの使い方、もう分かったわ」ってなります。もう、それ以降は安心です。しかも、こういう経験から気づくんです。「はは~、なるほど。受講者はこういうことに悩んでいるんだな」って。
たとえば、今でも覚えていますけど、こんな質問。「Zoomで日本語入力はどうしたらいいですか?」え~、と思いますよ。日本語入力ってZoomじゃないじゃない。それ私に聞かれても困るよねって。でもね、気づくわけです。あ、なるほど。ユーザーにとっては、Zoomもパソコンの機能も差がないんだなって。切り分けられてない、つまり、これはZoomの話、これはパソコンの話って別れていないんです。だとしたら、講義のときにもそれを想定した設計にしなくちゃいけない、となります。
Zoom講義の5大ショートカットキー
これが、最初に言っていた、講師としてZoomに慣れる、という意味です。1参加者、1ユーザーとしてZoomに慣れるのは当然として、講義をする際、Zoomの向こう側の人がどんな状態なのかを想像することが大事です。
ちなみに、私はZoom講義の際ぜったいに必要になる「5大ショートカットキー」というのを提唱しているんですが、それもやはりZoomの向こう側の人からどう見えるかという観点でまとめたものです。たとえば、Shift + F5キー。まさかとは思いますが、講師をやるのに知らない人はいないですよね?これは、パワーポイントで、そのスライドからスライドショーを始めるためのものです。
以前、これを知らない人に講師をお願いしちゃったことがありました。たとえば講義の途中でパワーポイントが編集モードになっちゃうことってあるじゃないですか。それをスライドショーモードにするのにもたつくわけです。「えっと、スライドショーは…、大変申し訳ありません、今から切り替えますから…あれ?」みたいな。
もうね、見ているこっちはヒヤヒヤですよ。だって、Zoomの向こう側の人から見たら、「あ~、この人プロじゃないな」って思いますからね。もちろん、講師の方にも言い訳はありえます。いや、私は講義のプロであってZoomのプロではないんですよ、と。でもね、受講者からはそうは見えないんですよ。Zoomの機能も、パソコンの機能も差がない、ごっちゃになっているという話はしたじゃないですか
それと同じで、Zoomの機能も講義内容も、受講者の頭の中では切り離されていません。そうすると、Zoom、あるいはパワーポイントの操作に手間取っているだけで、講師としての評価が下がってしまうんです。ここまで来ると、私が最初にお伝えした、Zoom操作はオペレーターに任せるという考えは捨ててください、という意味合いもピンときていただけるのではないでしょうか。ブレークアウトセッション、投票など、使いこなせるようにならないと、受講者から見て、「この講師はいまいちだなぁ」となりかねませんからね
講師がZoomで気をつけたい情動感染
ぜひ、講師をやる方は、今回のライブ配信をヒントに「講師としてのZoomの使い方」に慣れていただけるとよいのではないかと思います。そして、最後に精神論です。まぁ、要するに心構えですね。それは、Zoomを過度に、つまり極端に気にしない、ということです。Zoomの講義では、相手の反応が見えずに話しにくいな…というのが心の片隅にあるじゃないですか。そうすると、それは言葉の端々、表情にも出てしまいます
それを見た受講者は、「この講師、話しにくそうだな」と感じて、こちらも受講しにくくなってしまいます。「情動感染」という言葉があるんですけれど、情動、つまり感情は感染、伝染るんです。だとしたら講師は、「Zoomで講義がしにくい」と思うべきではありません。「Zoom?いやぁ、対面での講義と変わりないですよね」という心構えで講義に臨むべきです。
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この記事を書いた人
木田知廣
MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。
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