先週の「MBAの心理学」は引きつづきポジティブ心理学。
「大聖堂」という仕事の仕方
経営にも応用できる、もしくはすべきなのがこちら。
【MBAの心理学】1962年のアメリカ。当時の大統領ジョン・F・ケネディがNASAを訪問した際、清掃員の女性が掃除をしていた。「あなたはどんな仕事をしているのですか?」ジョンが訪ねると、女性は答えて、「大統領、私は人類を月に届ける仕事をしているのです」 pic.twitter.com/0zAVY6Dq3N
— 木田知廣 (マサチューセッツ大学MBA講師) (@kidatomohiro) September 27, 2022
似たような話の別バージョンとして、「大聖堂(カテドラル)」というのもありますね。職人が道ばたで仕事ししていて、「何をやっているんですか?」と尋ねると、「見りゃ分かるだろ?レンガを積んでるんだよ」と答える人もいれば、「大聖堂をつくっているんです」と答える人もいる、という。MBAでは有名なケース、3Mオプティカル・システムズの主人公、アンディ・ウォンも、インタビューの中で言ってましたね。
ただ、実際のビジネスの現場での問題は、「どうやったら部下がそう思ってくれるのだろうか?」ということ。そこが優秀なマネージャーと非凡なマネージャーの差だと思う。ヒントは、「エンゲージメント」。例のエンゲージメントを高める8か条を実践すれば、近づく気がする。
ジョブ・クラフティングによってやる気が高まる?
一方、部下自身でも自分で自分の仕事のやり方を考えて欲しくて、それが「ジョブ・クラフティング」。
【MBAの心理学】イエール大学のレズネスキーによれば仕事の価値観は3タイプ。「ジョブ」と呼ばれる仕事を単なる労働と捉える人、「キャリア」と呼ばれる経歴や名誉、地位にこだわる人、「コーリング」と呼ばれる今の仕事が好きな人。ジョブ・クラフティングによって誰もがコーリングになれる可能性 pic.twitter.com/59vyLTJww9
— 木田知廣 (マサチューセッツ大学MBA講師) (@kidatomohiro) September 28, 2022
ホンマか?と思わないでもないですが、一応研究によって検証されているようです。ただ、例によって欧米の論文なので、日本人でも当てはまるかの研究が知りたいところ。
ジョブ・クラフティングの3つの手法
ジョブ・クラフティングの具体的な手法も提唱されています。
【MBAの心理学】ジョブ・クラフティングの3つの手法。1.仕事で関わる人の数を意識的に広げる、2.仕事の意味を拡大する、3.仕事の内容に少しの変化を加える pic.twitter.com/Uxv1fHZ6Jt
— 木田知廣 (マサチューセッツ大学MBA講師) (@kidatomohiro) September 29, 2022
ということは、上司の仕事は部下がこれをできるように支援する、となりますね。とくに1番目とかは、部下自身だけではなかなかできなさそう。
この記事を書いた人
木田知廣
MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。
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