「セルフリーダーシップ」という言葉、ご存じでしょうか?今風の言葉で言えば、「自走式」とも近しい概念です。そのチェックリストというのが…

再び脚光を浴びるセルフリーダーシップ

今の時代、指示待ちではなく自分で考えて動く「自走式」の部下が求められています。その背後にあるのは上司の忙しさ。プレイングマネージャー化している管理職は、部下にそれほど目を配れないので、支持を最低にしたいというニーズが顕在化しています。

これにあわせて再注目されているのが「セルフリーダーシップ」。もともとはアメリカの経営学者チャールズ・マンツ (Charles C. Manz)先生が提唱されたもの。ちなみに、マンツ先生はマサチューセッツ大学でも教鞭を執られていたらしいですから、私の同僚、いや大先輩ではないですか。親近感が湧きます。

マンツ先生の定義によると、セルフリーダーシップは

自分自身を導くため、自らに影響を与える総合的な視点

とのことで、若干難しく聞こえますが、自走式と考えても大きな間違いではないと思います。英語で言うと、order-taker (指示待ち)ではなく、self-starterといったおもむきでしょう。ちなみに、もともと提唱されたのは1980年代前半です。それが今、時代の変化とともに再度脚光を浴びています。

セルフリーダーシップをセルフチェックする

このセルフリーダーシップのセルフチェックリストも提唱されていて、たとえば”Revised Self-Leadership Questionnaire:RSLQ”なんてのも提唱されているそうです。たとえば、

  • I establish specific goals for my own performance. 私は自分のパフォーマンスに対して具体的な目標を設定する。
  • I find ways to make my work tasks more enjoyable. 私は仕事をより楽しめる方法を自分で見つける。

のように、自分で目標を設定して、そこに向かって自分の行動をコントロールしていく姿が想定されています。

ただ、日本においては企業文化の影響もあって、なかなか難しそうと個人的には思っています。一方で「自走式」の部下を求めつつ、一方では「余計なことをするな」という雰囲気の組織もありますからね。なので、日本式のセルフリーダーシップ理論が生まれてくるといいな、と思います。

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この記事を書いた人

MBAの三冠王木田知廣

木田知廣

MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。

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