私はテレビ東京のニュース番組WBSの大ファンです。中でも注目しているのが「トレンドたまご」(トレたま)のコーナー。さまざまな企業の開発努力に頭が下がります。

WBSトレンドたまごで紹介された「レンジで温めるインソール」

「トレンドたまご」、新規性のある商品を取り上げるコーナーですが、これを見ながら私は「この商品は売れるか、売れないか」を考えています。そのココロは、自分のマーケターとしての勘を研ぎ澄ますため。例え他社製品であっても、売れる売れないをあてることができれば、自社製品のよりよい開発に繋がると思うのです。

最近注目したのがこちらの「レンジで温めるインソール」。靴の中敷きですが、レンジで温めて成形することで、自分の足にフィットしたものが手軽に出来上がるとのこと。テクノロジーも新しいのでしょうが、なんと言っても発想が素晴らしいですね。開発元のGSIクレオスさんによると、

①「快足インソール」を、ご自身の足のサイズに合わせてカットします。

②付属のポリ袋に片足ずつ「快足インソール」を入れ、電子レンジで500W・50秒間温めます。

③使用するシューズの中に、温めた「快足インソール」を入れ、約3分間放置し、熱を冷まします。

④靴下を履いた後、インソールが入ったシューズを履き、そのままスクワット等で体重をかけることで自分の足型を作成します。

⑤シューズを脱ぎ、10分程度放置して足型が固まるのを待ちます。再度シューズを履き、歩きながら足になじませたら完成です。

という使い方だそうです。

WBSトレンドたまごを判断するフレームワーク

ただ、個人的にはこの商品がヒットの可能性は低いと感じています。なぜか。

インソール問題、あるいはそれに端を発した膝痛などの問題は顕在化されたニーズがあるところでしょう。実際私もここ10年ぐらい膝痛には悩まされていて、「何とかならないか」と思う日々。ただ、「レンジで温めるインソール」がそれの解決策にはならないと感じてしまいました。というのは、膝痛の原因が今の足の状態にあるとしたら、必要なのはそれを矯正するインソールだと思うのです。レンジで温めて現状の自分の足形をとってしまうと、逆に今の悪い状態がそのまま継続されてしまうのではないかと懸念します。

もちろん実際に試さないと効果のほどは分かりませんが、8,000円近くの金額は、ちょっとないかな、と感じてしまいました。まぁ、私の勘なんかは当にならないかもしれませんが。Uberイーツも、パジャマスーツも、「売れる」とは思っていなかったですからね。

ちなみに、私が「売れる、売れない」を判断するのは下記のフレームワークに則っています。

Pain:痛みはあるか?(明確なニーズはあるか)

Competitor:その痛みがこれまで解決されなかった理由は?

Now: 今回は痛みが解決できる根拠は?

Promotion: プロモーション上の工夫はあるか?

こういうので思考を繰り返すことにより、いつかは自分も売れる商品開発につなげたいと思っています。

insole photo

この記事を書いた人

MBAの三冠王木田知廣

木田知廣

MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。

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