大学が劣化していると感じませんか?その対策に文部科学省が乗り出したそうですが、ちょっと方向性が違うと思います。規制強化より競争原理の方がいいのでは?
とまらない大学の劣化
大学の劣化、最近のニュースとしては東京女子医大では理事長のワンマン経営がついには刑事事件まで発展したことが挙げられます。少し遡れば日本大学の数々の不正・不祥事が思い起こされます。
これに対応して文部科学省の規制を強化するというのが2025/01/29付の日経新聞記事、「大学教育の質『格付け』」という記事。少し抜粋してみましょう。
文部科学省は大学の運営を第三者が審査する「認証評価制度」を見直す。在学中の学生の成長具合など、教育の質を測る指標をつくり、複数段階で評価する。受験生らが偏差値やイメージではなく、教育内容を比較して進学先を選べるようにする。大学間の切磋琢磨(せっさたくま)を促し、大学教育全体の質向上にもつなげる。
求められるのは規制ではなく競争原理
これ、方向性は逆だと思います。むしろ必要なのは、大学サイドの情報開示ではないでしょうか。最近のフジテレビの例を見ても、経営層がどんな人物で、何を基準に判断しているのかを見れば、その会社がイケているのかダメなのかはよりクリアになります。大学だって、理事会の議論を公開すれば、同じように行けている大学ダメな大学が分かって、学生や保護者が選ぶ基準が明確になるでしょう。
同様に、大学で行われている授業もオープンにすべき。どんな先生がどのように教えているかが明確になれば、「この先生はイケている、この先生はダメ」というのがオープンになります。実際、日本におけるMoocs (Massive Open Online Courses)の取り組みであるJMOOCにおいては、現時点で765講座が公開されています。この流れを加速させることがよりよい大学運営に繋がると考えます。
イーロン・マスクによる米国DOGEを見習え
文部科学省に限らず、お役所に任せていると、気づけば規制強化。しかもそのための組織も肥大化して、国民の負担は増えるばかり。霞ヶ関の省庁も、子供家庭庁や防衛装備庁など、「あれ?こんなの昔はなかったけどな?」というのが増えています。
私はトランプ政権は支持するものではありませんが、というか大いに反対ですが、イーロン・マスク氏率いるDOGE (Department of Government Efficiency:政府効率化省)は注目しています。日本では民主党政権時代の「事業仕分け」の悪いイメージが先行してしまっていますが、政府の効率化は必要だと思います。
この記事を書いた人
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木田知廣
MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。
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