本日付けの日経新聞で紹介されていましたが、英ファイナンシャル・タイムズによるMBAランキングで、母校のロンドン・ビジネススクールがハーバード・ビジネススクールについで2位になりました。ちなみに、FTの元ネタはこちら

これはこれでめでたい話ではあるのですが、実際のところはビジネススクール側にとってはランキングというのは悩ましいものです。というのも、「何をもって教育のクオリティを計るか」は難しい問題だから。

FTのランキングは、学校からの聞き取り調査と卒業生のサーベイに基づいています(ちょっとマニアックですが、詳しくはFTの”Methodology”のページをどうぞ)。卒業生のサーベイの調査項目の中には「過去3年間の年収」という項目もあり、理屈としては「良い教育を受けたらその分能力アップして給料も高くなるはず」となり、それはそれで妥当ではあります。

一方で、卒業直後にスタートアップに参画するキャリアを積むと、金銭面では短期的には報われないわけで、結果として出身校のランキングを落とすことになってしまいます。

これが先ほど書いた「何をもって教育のクオリティを計るか」の難しさで、年収だけでも測れないし、かといって満足度も必ずしもクオリティを正しく反映しているとは言えないでしょう。

もちろん、FTを始めとしたメディアもできるだけ公正に測定すべくいろいろと工夫をしているかとは思いますが、ビジネススクール側にとっては、「ま~たメディアの人は勝手なこと言って…」という感覚も持ってしまうのです。

ただ、ランキングには怖いところもあって、「ランキングにひかれて優秀な人が集まれば、教育のクオリティが高くなる」と言うこと。これ、教育という商材の特徴ですが、サービス受容者(お客さま)自身がサービスのクオリティを大きく左右するところがあるんですよね。

なので、ビジネススクールは「ま~たメディアの人は勝手なこと言って…。でも、ランキングを挙げる努力をしなくちゃいけないんだよなぁ」というのが悩ましいところですね。

ちなみに、ビジネススクールランキングはさまざまなメディアから発表されているので、それを見比べてみると違いに愕然とするかもしれません。たとえば、Bloombergによる2014年のランキングでは、Duke Universityが米国内でトップに順位されていますlondon business school photoPhoto by Simon & His Camera

この記事を書いた人

MBAの三冠王木田知廣

木田知廣

MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。

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