社員の「口コミ」からその会社のカルチャーが分かる、そんなちょっと面白いニュースが飛び込んできました。

口コミからその会社の組織文化スコアが分かる

インターネットの掲示板に社員がその会社の内情を書き込むってあるんですよね。私が以前勤めていた会社でも、けっこう誹謗中傷に近いものがあって、「なんだか嫌だな~」と思っていました。

ただ、そういう情報だけに真実味はあるようで、人工知能で処理するとその会社のカルチャー<組織文化>が分かるそうです。そんなサービスが、転職口コミサイトVorkersの「VCPC組織スコア」。

Vokersには3,000社、53万件の口コミ多登録されているそうですが、それに基づいて会社の組織文化を診断しているそうです。これがVCPC組織スコアとして数値化されるとのこと。組織分のアセスメントの結果は、通常様々な軸(革新性ありなし、細部に対するこだわりありなし)の測定をしてマトリックスやレーダーチャートなどで表されることが多いので、一意の数字で評価されるというのは新鮮です。

しかも、そのVCPC組織スコアは業績と連動しているとのこと。従来から、

外部環境を重視する文化を持つ企業群が、内部環境を重視する企業群(官僚的、合意的)よりも高い成果を生みだした

という実証研究はありましたが、これがさらに確立されたかたち、でしょうか。

今後に注目のVCPC組織スコア

私はこの手の話が大好きで、これまでブラックボックスだったものにテクノロジーがメスを入れて因果関係がすっきり分かるって素晴らしいと思います。これまで以上に企業文化に注意を払う経営者が増えるだろうし、ブラック企業が淘汰されるきっかけにもなるんじゃないかな。カルチャーが悪い会社は永続的な発展はないわけですから。

ただ、この手の指標ってそのまま信じるわけにはいかないケースもあるから要注意。今回紹介したVCPC組織スコアがそうだといっているわけではありませんが、「逆算」でスコアを創ることも技術的には可能でしょうからね。つまり、業績がよい会社をピックアップして、その会社に対して書かれている口コミを人工知能で解析して、それが高いスコアにつながるような仕掛けです。

なので、VCPC組織スコアもこれからが要注目です。現時点でのスナップショットして、仮に組織文化と業績の間に相関があるとしても、今後の業績を予測するために役立つかどうかは、ある程度時間をおいて検証すべきと考えます。

もっとも、そんなことをしている間に、経営者が社員にハッパをかけて「ウチにとって有利な口コミを書け!」なんてことになるかもしれませんが…。

corporate culture photoPhoto by danisterling

この記事を書いた人

MBAの三冠王木田知廣

木田知廣

MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。

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