先日メルマガ読者の方からご要望をいただきました。テーマは、「嘘っぽくならない想いの伝え方」。これだけ聞くと嫌らしいテクニックに聞こえますが、実はしっかりした背景があります。
想いを伝えるPEMAの法則
まず結論から言うと、「PEMAの法則」が想いの伝え方には有効です。これは、「ストーリーテリングのPARLの法則」の応用版で、
- Problem 問題
- Enemy その問題を引き起こしている敵
- Mission 敵を倒すことが我々の使命なんだ
- Action そのための第一歩として○○に取り組もう
という順番で物事を説明するという方法論です。
史上最高のスピーチは「インデペンデンス・デイ」
具体例は、私の大好きな映画のシーン。
インデペンデンス・デイ 大統領のスピーチ
古い例で恐縮なのですが、これこそがまさに想いを伝えて周りを動かすベストな例だと思います。
スピーチを一部取り上げてみましょう。
Mankind — that word should have new meaning for all of us today. We can’t be consumed by our petty differences anymore. We will be united in our common interests.
(宇宙人という敵を前にして)”人類”という言葉は今日、新しい意味を持つ。人種の違いを乗り越えて、一つの目的のために結ばれる
もちろん、表層的には地球に攻めてきた宇宙人と戦おうと言うことですが、その裏には、「人類を分断している偏見」を大きな敵と捕らえ、それと闘うことが我々のミッションだ、と謳い上げているのです。
肩書きが無くても他部署を動かせる
では、PEMAの法則の使用場面。質問をくださった方の元々の問題意識は、「働き方改革」の下で変革を求められている企業においては「肩書きが無くても他部署を動かせる」、そんな力が必要ではないかというものでした。
そのためには、やはり大きな「敵」をつくるのがお勧めです。小さくは、「あの無理解な上司をなんとかするために」でもいいですし、もうちょっと広げると、「我が社のライバル企業に勝つために」というのもありです。あるいは、企業の理念を軸に、「我々の企業理念の実現を妨げている○○を打破するために」というのも、状況によっては使えます。
もちろん、いきなり「理念」なんて言い出したら、周りの人はぎょっとしてしまいますから、小さなところから始めて徐々に大きくしていくのがお勧めです。
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この記事を書いた人
木田知廣
MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。
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