「人工知能で採用が変わる」というニュースをご存じの方も多いでしょう。ただ、現実はもっと進んでいるようで、かなりビックリです。先日当社で主催した勉強会の感想を共有します。
新卒採用のエントリーシートを人工知能が選抜
こんにちは。MBAの三冠王こと、シンメトリー・ジャパンの木田です。
先日、ヒトラボの永田さん、村上さんをスピーカーにお招きして人事向け勉強会を開催しました。テーマは、「AI(人工知能)は育成や採用をどう変えるか」。
採用の面接をする際に、面接官によって「甘辛」が出るのを防ごうという取り組みは、以前の記事「データがサポートする人事の判断~ピープルアナリティクス」でご紹介したとおり。
これ、もう既に実務において使われていて、たとえば新卒の採用で使う「エントリーシート」を人工知能に読み込ませれば、その人が学生時代に発揮していたコンピテンシーが分かるとのこと。
たしかに、人気企業は数千単位でエントリーシートが来るでしょうから、これをいちいち人間が読むわけにもいかず、人工知能のアシストが必要というのは分かります。
仕事が異なるビジネスパーソンも横並びで比較可能
実はこのような取り組み、既に働いている社員にも応用できるのだとか。A4用紙1枚程度のレポートで、ご自身の上げた実績をまとめたもので、人工知能によるコンピテンシー判断はかなりの精度で出るそうで、ビックリでした。
学生ならね、まだ分かるんですよ。経験も、「サークルで…」とか「バイトで…」とか、ある程度似たり寄ったりじゃないですか。そんなある程度均一化した経験を横並びで見て、キラリと光る人材を見つけるというのは機械でもできそう。
ただ、一般のビジネスパーソンでは、職種によって仕事の内容はバラバラじゃないですか。それを横並びで見てコンピテンシーが測定できるというのは相当なものだと思いました。
精度高く人工知能によるコンピテンシー測定できる理由
なぜそんな精度高くできるの?と言う疑問への答えは二つあって、一つは技術面。ちょっとここは、私自身の専門領域ではないのであいまいですが、なにやら人工知能によるコンピテンシー測定というのも二つの流派があって、最近話題のディープラーニングを基軸としたものと、自然言語処理に基づくものに分かれるのだとか。
先日ニュースになっていた、Amazonでの人工知能による採用が、女性を差別しているという理由でストップになったのは、このディープラーニング技術によるものだったとのこと。一方で、ヒトラボさんのサービスは自然言語処理に基づいているので、より高精度にコンピテンシーを判断できるんだそうです。
もう一つの理由が、開発者の永田さん、村上さんがそれこそコンピテンシーインタビューのプロであること。これね、私も前職でご一緒だったとき、横から見ていたことがありますが、もう、職人技。そんなお二方だからこそ開発できたというのは納得です。
ちなみに、この人事勉強会、あまりにも好評だったので第二弾を予定しています。今日程調整中ですので、ご興味がある方はメニュー右端の「お問い合わせ」よりご連絡ください。
この記事を書いた人
木田知廣
MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。
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