会議ファシリテーションのワークショップに参加したので報告します。

役割を決めて会議ファシリテーションのロールプレイング

ワークショップは講師の羽方康先生のお人柄もあって和やかに始まったのですが、ロールプレイングではちょっと緊迫した状況になりました。テーブルごとに5-6人で取り組みましたが、一人ひとりに役割カードが配られます。ところが、その役割カードに記載された指示が「一癖も二癖もある」キャラばかり。やたらと自分の言いたいことを主張したり、上司の意向を気にしたり、はたまた黙り込んじゃう人も。

これをまとめて合意を取り付けなければならないので、ファシリテーターは大変です。っていうか、私も参加者のカードだったので、そのファシリテーターを困らせる側だったのですが…。

面白かったのは、ファシリテーターに学びがあったのはもちろんのこと、参加者にも発見があったこと。同じテーブルで発言しない参加者のカードを引いた方から「会議中に黙っていると注目されなくなってますます話しにくくなる」という意見があって、これはなるほどと思いました。この悪循環にハマらないためにも、ファシリテーターは会議の最初の段階で発言してもらうように促す必要がありますね。

プロジェクト・アリストテレスが明らかにしたチームが機能する法則

では、どうやって参加者に発言してもらい、黙りがちな人からも意見を引き出すかというのがこのワークショップのテーマ、「部下が動き出す、3つのキーワード」です。詳細は参加者限定、というか先生のホームページで確認して欲しいのですが、一つだけピックアップすると「心理的安全」というキーワード。

会議に参加しても発言しない人は、「こんなことを言ったらどう思われるんだろう?」と多かれ少なかれ思っているわけで、それを覆して、「この場では、何を言っても損することはないですよ。その意味で安全な場なんですよ」というメッセージを伝える必要があると。

これ、実は会議に限らず会社の生産性を上げるカギにもなっているようで、googleでの実験がこれを証明しているとか。プロジェクト・アリストテレスと命名されたそうですが、

社内の様々なチームを観察し、上手く行っているところと、そうでないところの違いを明らかにしようとした

のです。その結果から分かったのが、上記も出した「心理的安全性(psychological safety)」が、チームを機能させるためには最も「効く」ファクターなのだとか。

笑顔で心理的安全性を生み出すマインド・フォトグラフ法

ワークショップに話を戻すと、ちょっと残念なところは、その「心理的安全性」の必要性が分かったとしても、どうやってそれを実現するかの方法論の解説がなかったこと。まあ、そもそもが無料で体験セッションという位置づけなので無い物ねだりなんですが、そこにこそノウハウがあるわけで、それを知りたかったというのがホンネです。

ちなみに、私たちが提供している講座の中からの方法論としては、「マインド・フォトグラフィー法」と「水掛相づち法」は、すぐにでも使えて効果的なテクニックだと思います。

マインド・フォトグラフィー法は、「本物の笑顔」をつくるための方法論です。大前提としては、心理的安全性のある場をつくるためには笑顔が大切。ただ、作り笑顔って、人間は無意識のうちに気づくそうです。なぜならば、目の周りの筋肉(眼輪筋)は意思の力で動かせないため、口元でどれだけ笑っていても、「目は笑っていない」というのは文学的表現だけでなくて実際に起こるそうです。

これを解消して本物の笑顔になるためには、マインド、つまり心の中に自分が心から笑顔になれる写真を持っておきましょう、となります。たとえば私がワンちゃん大好きなのは「映画鑑賞 僕のワンダフル・ライフ」でも説明したとおり。なので、こんな写真を思い浮かべると、それだけで幸せな気持ちになって笑顔になれます。

smile dog photo
Photo by BabyEksy

もちろん本物の写真をこっそり定期入れに忍ばせて、会議が始まる前に見る、なんてのもありだと思います。

ちなみに、一頃私は家族の写真を定期入れに入れてたんですが、それはうまくいきませんでした。なんか、色々な感情が沸き起こって、本物の笑顔になれません。

もしも今回紹介した「心理的安全性」に興味がある方はぜひ試してみてください。

なお、この観点で、ファシリテーターがメモをとることも私たちはお勧めしていないんですよ。メモをとるとどうしてもそちらに意識が集中してしまいがち。むしろファシリテーターは、会議の参加者の方を心理的にも物理的にも見つめて、彼らの言っていることを「受け止める」という姿勢が求められているのではないかと思います。

この記事を書いた人

MBAの三冠王木田知廣

木田知廣

MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。

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