「メンターン」という言葉、「メンター」と「インターン」からなる造語だそうです。その意味は、「いつまでも学び続ける年配者」。どういうことかというと…

歴史あるメンター制度から生まれた最新動向メンターン

メンター制度はご存じの方も多いでしょう。会社の中で直接の上司ではなく、仕事とは関係ない役職者がアドバイザーになってくれるというものです。メンターを受ける若手社員の成長に繋がるのはもちろん、ナナメの関係が社内で構築できて、組織がよくなる組織開発の一環とも考えられます。

ちなみに、組織開発という観点では「リバースメンター制度」を導入している企業もあります。「リバース」ですから、逆。つまり、年配社員に対して若手社員が指導役になるというものです。最近のようにITが進んで、それこそイノベーションやDXが企業の明暗を分ける中、経営層のITリテラシーを上げる手段としてはアリ。

あるいは、社外メンターというのもあり得て、ひと頃ビジネスSNSのリンクトインが社外メンターマッチングサービスをやっていましたが、最近はどうなんだろ?

いずれにしても、欧米においてはもちろん、日本においても根付いていると言っていいでしょう。そして、ここから派生したのがメンターンです。

人手不足の切り札になるか?メンターン

背後にあるのは、ビジネスのおかれた環境変化でしょう。メンターを務めるようなシニア、かつ高位の職位についている人材にとっても、一生学習を続ける必要があるとの認識です。では、どうやって学ぶかと言うときに出てきたのがインターン制度。

このインターン制度、日本においては新卒学生の就職活動の一環というイメージが強いでしょう。職場体験や先輩の話を聞くというのが主なパターンです。

一方で欧米においては、もちろん就職活動の一環もありますが、職務経験を積むことの方に主眼が置かれている印象です。実際、私もビジネススクール留学時代、夏休みの間にロンドンでインターンをしたことがあります。すなわち、メンターン制度はシニア人材が、これまでなじみのなかった分野でゼロから職務体験をすることによる学習を指すと考えてよいでしょう。

今の日本の状況を見るに、リスキリングや人手不足、シニア人材の活用と人材の課題が山積みです。これを解決するためにメンターンが流行るかもしれません。

mentor photo

この記事を書いた人

MBAの三冠王木田知廣

木田知廣

MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。

ブログには書けない「ぶっちゃけの話」はメールマガジンで配信中