「AI (人工知能)によって仕事が奪われる」系の話は、厳密な予測とかはどうでもよくって、大きなトレンドを抑えるべきだと思います。
「空振り」ではないオズボーン教授の予測
まずはオズボーン先生の予測から。
【MBAの心理学】オックスフォード大学のマイケル・オズボーン教授は2014年の論文、”The Future of Employment”で、「今後10年から20年の間に米国の総雇用者の約47%の仕事が自動化され消失するリスクが高い」と提言。8年後の2022年、実際には人手不足↓ pic.twitter.com/XHplGgH5ug
— 木田知廣 (マサチューセッツ大学MBA講師) (@kidatomohiro) October 16, 2024
読み取り方としては、47%と言う数字がどうこうではなく、機械による自動化が進むことに警鐘を鳴らしたのは慧眼であった、となるべきでしょう。
想像ですが、この時点での「自動化」はRPA (Robotics Process Automation)などのIT技術を指していたでしょう。その後、ChatGPTなど生成AIが生まれるに及び、この指摘はかなり正鵠を射てると感じます。
なので、その後の修正提言、
【MBAの心理学】とはいえ、オズボーン仮説は「行き過ぎ」とも。メラニー・アーンツは、「労働者の9%が機械への代替リスク70%である」と予測を修正した #心理学 #MBA pic.twitter.com/ClvC3OzrPO
— 木田知廣 (マサチューセッツ大学MBA講師) (@kidatomohiro) October 16, 2024
というのも、「まー、そんなもんですかね」と感じてしまいました。
やっぱり妥当なオズボーン教授の提言
別の観点から考えてみましょう。オズボーン教授の提言がどこまで妥当かは別にして、ポイントは「47%の仕事が自動化され消失する」という点にあります。
結果として、その消失した仕事に就いていた人は、別の仕事を見つけなければならなくなるわけです。もちろん、生成AIが生まれてことにより新たな仕事が発生するので、そこに移るという選択肢はあり。ただ、本人が望んで事前の準備をしてから仕事を変わるのと、臨まずに押し出されるように別の仕事に流れるのは大きな違いであると思います。
つまりは、オズボーン教授が言いたかったことは、「それに備えて、今からスキルのリニューアルをしておくべき」という提言で、昨今のリスキリングブームを予見していたとも言え、これはこれで妥当です。
この記事を書いた人
木田知廣
MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。
ブログには書けない「ぶっちゃけの話」はメールマガジンで配信中。
- 投稿タグ
- ChatGPT