ボーカロイド、と聞いてピンときますか?「初音ミク」に代表される、コンピューターが歌を歌う音楽技術です。

これが、今や世界的なブームになっているという事実に驚かされました。そんな衝撃を受けたのが、先日のNHKスペシャル「日本発”ボーカロイド文化”」。

でも、なぜこれほどまでに人気なのでしょうか?


ボーカロイドがもたらした「プロシューマー化」

この現象を自分なりに解釈すると、ボーカロイドは音楽の世界に「プロシューマー化」をもたらしたと言えます。

「プロシューマー(Prosumer)」とは、「プロフェッショナル(Professional)」+「コンシューマー(Consumer)」の造語。つまり、一般の消費者がプロのように創作し、発信する時代が来たということです。

YouTubeが映像分野でこの流れを加速させたのと同じように、音楽の世界ではボーカロイドがその役割を果たしました。

これまで楽曲制作には高いハードルがありましたが、ボーカロイドの登場によって「自分で作って、すぐに発表できる」時代が到来。その結果、個人のクリエイターが世界中に音楽を届けられる環境が整ったのです。


プロシューマーがプロフェッショナルへ──新時代のスター誕生

さらに興味深いのは、プロシューマーとして音楽を作り始めた人たちが、いまやプロとして活躍していることです。

NHKスペシャルでは、次のようなアーティストが紹介されていました。

Ado
YOASOBI
きくお

彼らはボーカロイドを駆使し、ネットで楽曲を発表するところからキャリアをスタート。そして、いまや世界中にファンを持つトップアーティストになっています。

これこそ、プロシューマー文化がもたらした新たなスター誕生の流れです。


ボカロ文化は「心の拠り所」なのか?

一方で、NHKスペシャルの取り上げ方には少し違和感もありました。

番組では、「生きづらさを感じる若者がボーカロイド楽曲に救われた」という視点が強調されていました。でも、それって本当にボカロ人気の本質でしょうか?

確かに、歌詞に共感する人は多いでしょう。でも、海外も含めた熱狂ぶりを見ると、単純に「音楽としてカッコいいから聴いている」という層のほうが圧倒的に多いように思えます。


論より証拠。聴いてみたら納得した

こういうときは、頭で考えるよりも実際に体験するのが私の流儀。

さっそくSpotifyで前述のアーティストを聴いてみましたが… Adoさん、めちゃくちゃカッコいいですね

特に「唱」とか、予備知識なしに聴いても「これはハマるわ」と思いました。

ボーカロイド文化は、単なる一過性のブームではなく、新しい音楽のあり方を示しているのかもしれません。

「プロが作った音楽を消費する」時代から、「誰もが音楽を作り、発信する」時代へ。ボーカロイドが生み出したこの流れは、これからさらに加速していくのでしょう。

hatsunemiku photo

この記事を書いた人

MBAの三冠王木田知廣

木田知廣

MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。

ブログには書けない「ぶっちゃけの話」はメールマガジンで配信中