人手不足の解決策は「専門職シニア」にあり?

いまや、あらゆる業界で深刻な人手不足。企業は採用活動を強化し、既存社員の定着を図るために様々な施策を打ち出しています。しかし、その一方で「人が足りない」という課題の本質的な解決には、まだまだ試行錯誤が続いているのが現状です。

ところが、意外なところに突破口があるかもしれません。それが「専門職シニア」の活用です。

シニア人材が中小企業の救世主に?

2025年3月26日付の日経新聞によると、関東経済産業局などが主導し、専門知識や経験を持つシニアと、その知見を求める中小企業をマッチングする取り組みを実施しているとのこと。実際に登録されている人材を見てみると、その豊富なキャリアに驚かされます。

  • 銀行の営業経験者:資金調達や財務戦略に強みを持つ
  • 電機メーカーの工場長経験者:生産管理や現場改善のプロ
  • 外資系メーカーの海外部門出身者:グローバル展開に精通

中小企業にとって、これほど心強い人材はないでしょう。

シニアにとっても「第二のキャリア」

もちろん、メリットがあるのは企業側だけではありません。シニア人材にとっても、これまで培ったスキルを活かしながら社会貢献ができるのは大きな魅力。単なる「働き続ける場」ではなく、やりがいを感じられる場になっているのです。

この取り組みは2011年からスタートし、すでに5,000社以上が参加。登録シニアの数も693人に達し、もはや定着した制度といえるでしょう。

民間の顧問派遣サービスとどう違う?

近年、民間企業でも「顧問派遣サービス」を展開する企業が増えています。これらのサービスと比べた場合、官主導のマッチング制度の強みはコストの低さにあります。中小企業にとって、優秀な人材を手頃な価格で確保できるのは大きな利点です。

人手不足が叫ばれる今、このような「知見を持つシニア層の活用」は、今後さらに広がっていくのではないでしょうか?

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この記事を書いた人

MBAの三冠王木田知廣

木田知廣

MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。

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