以前、子育てに悩んでいたとき、手にとりたかった本を見つけました。それが鈴木祐先生のご著書、「超ストレス解消法 イライラが一瞬で消える100の科学的メソッド」。これを読んでたら、ストレス対策ができたのになぁ…

科学的に検証されたストレス対策

こんにちは。MBAの三冠王ことシンメトリー・ジャパン代表の木田知廣です。先日の記事、「プロ意識を醸成する研修を考えてみた」でも書いたとおり何かを調べる際、論文にあたるのが私のやり方。その観点で、この本は面白くて、何とすべての方法論に論文の裏付けがあるとのこと。

たとえば、「受容のアンバランス」という項目では、ネガティブな感情回避すると、かえってストレスになるとのことが述べられています。それをチェックするために、下記の8つの質問に答えるだけで自身の状況が分かるというものが紹介されています(詳しくは本書の131pを)。

  1. コミュニケーションの不安は、自分にとって価値のある人生を送る妨げになっている
  2. 社交不安について考え無いように、自分に言い聞かせることがある
  3. コミュニケーションの不安をなくすために、人生で大事なものを犠牲にしていることがある
  4. 不適切なコミュニケーションをする自分を批判してしまうことがある
  5. 人生で大事な決断をする前には、自分の社交不安を減らさなければならない
  6. 自分がコミュニケーション不安に対して抱いている「考え方」が良いものなのか悪いものなのかを、よく考えてしまう
  7. 自分の社交不安は、自分が行きたい人生を送るジャマにはならない
  8. コミュニケーションで不安になっても、自分では認めないことがある

そしてこれは、論文に基づいているというところがポイント。具体的には、Meagan B. MacKenzieさんによる、2017年の論文、「Development of a Brief Version of the Social Anxiety – Acceptance and Action Questionnaire」ですね。

こうやって科学的に検証された方法を体系的に紹介してくれているという観点で、「超ストレス解消法 イライラが一瞬で消える100の科学的メソッド」素晴らしい本です。

解決・回避というストレス対策人生

冒頭にも書きましたが、この本、子育てに悩んでいた2年前ぐらいに読みたかったです。当時息子が中学2年で反抗期の真っ盛り。家の中にチンピラがいるようなもので、それはまぁ、ひどかったんです。

たとえば、夕食が焼きそばのとき。いや、普通ですよね、夕食に焼きそば。太麺もちもちタイプは私大好き。ところが息子はキレるわけです。夕食に焼きそばなんてあり得ない、と。そのあげく、「自分はないがしろにされている」と言うわけですよ。意味分からん。

なのでその当時はストレスまみれ。といって、効果的な解消法は分からないわけですよ。悶々としながら、一時は出家して仏門に帰依することを本気で考えました。ちなみに、その頃のクセは残っていて、いまだにジョギングの際は近くの薬師如来様にお祈りする習慣が続いています。

「超ストレス解消法 イライラが一瞬で消える100の科学的メソッド」を読んだ今ならば、あれほどストレスを感じていた原因が分かります。それは、受容度合いが低かったから。これまでの自分の人生を振り返ってみたとき、ストレスの原因になるような不愉快な出来事は、何とかそれを解決しようとしてきました。職場でのストレス?そんなの自分に力がないからじゃん、というのがMBA取得をはじめとするスキルアップをドライブするものです。人間関係のストレス?そんな相手と付き合ってるのが間違っているんじゃん、と人間関係を断ち切ったり。要するに、受容じゃなくて解決・回避することでストレスを避けていたんだな、と。

でも、自分の子供という、自分ではコントロールできないし切り捨てられないものに人生ではじめて出会ったとき、これまでのやり方ではストレスに対処できなかったというのが、問題の根本でしょう。なので、「超ストレス解消法 イライラが一瞬で消える100の科学的メソッド」にあった、受容度合いのチェックテストにドキッとしました。

科学的に検証された方法を科学する

さて、一方で別の話。

科学的に検証された手法ほど、「それ、本当に科学的なんだっけ?」という態度で読むのが、「お作法」です。「○○の科学」と謳っている割には、じつは調査に基づいてなかったなんて話もときどき聞かれますしね。

ということで、元になったら論文をチェックしてみました。その時にチェックしたいのが引用数。google検索も同じロジックで成り立っていますが、他の論文に引用されたと言うことは、それだけ価値があるんだよね、と考えられます。その点では、上記論文は引用数(citatoin)が1件とのことで、ちょっと寂しく感じました。この観点から見ると、提言されているけれど、研究分野での検証は的中断会ではないかとの印象を持ちました。

また、論文中で「Item is not reverse-scored; all other items are reverse-scored」とあるとおり、上記の設問の中で6番目の設問は点数を逆につける必要があります。さらに、奇数番号の設問は行動を、偶数番号の設問は受容度合いを指しますので、付記します。下記、原文での設問です。ご参考まで。

1. Being socially anxious makes it difficult for me to live a life that I value. (SA-AAQ item 5)

2. I tell myself that I shouldn’t have certain thoughts about social anxiety. (SA-AAQ item 15)

3. I would gladly sacrifice important things in my life to be able to stop being socially anxious. (SA-AAQ item 6)

4. I criticize myself for having irrational or inappropriate social anxiety. (SA-AAQ item 16)

5. My social anxiety must decrease before I can take important steps in my life. (SA-AAQ item 10)

6. I make judgments about whether my thoughts about my social anxiety are good or bad. (SA-AAQ item 18)

7. My social anxiety does not interfere with the way I want to live. * (SA-AAQ item 11)

8. I disapprove of myself when I feel socially anxious. (SA-AAQ item 19)

この記事を書いた人

MBAの三冠王木田知廣

木田知廣

MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。

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