三冠王が答えるMBAとはなにか?
この配信では、「MBA」とはなんなのかを本音で語ります。結論としては、単なる「経営学修士」ではありません。見終わった後ではMBAのリアルな姿を理解できます。とくに、これからMBA取得を目指す人は必見です。
知識獲得ではなく視点転換の場
MBAはMaster of Business Administration (マスター オブ ビジネス アドミニストレーション)。日本語で言うと「経営学修士」です。ただ、修士号と効くと日本の場合には研究職のイメージでしょう。博士課程に行く前のワンステップのような。
しかし、MBAは研究職ではありません。あくまでもビジネスの実力を高めるためのカリキュラムです。科目で言うと、経営戦略、マーケティング、アカウンティング(会計)、ファイナンス(財務)などが主要なものでしょう。
ただ、極論を言えば、知識は重要ではありません。知識自体は本を読めば分かりますし、今の時代動画セミナーだってたくさんある。なので、MBAの本当の目的は知識の獲得ではなく、ビジネス上の課題を解決する方法論を身に付けることです。
たとえば、「会社の利益が上がらない」という状況にどう対応するか。マーケティングがうまくいっていないから、ターゲットを絞って…?いや、そもそも戦略が間違っているのでは?いや、ちょっと待て。「利益が上がらない」って本当なのか、会計的な観点で考えてみよう。つまり、知識は問題を解決するためのひとつのパーツ。それらを組み合わせて解決策を発見することをたたき込まれます。
MBAビフォーアフターで変わったこと
こういう経験を二年間行うと、何が変わるか。分かり易いところでは、本を読まなくなりました。むしろ、眺めるようになったのです。私が以前使えていた上司の高橋俊介さんも似たようなことをおっしゃっていました。「ボクは本は読まないんだよねー」というのを聞いて、当時は密かに「え~、そりゃないでしょ」と思っていたのですが、まさに自分もそれ。
さらに、企業買収賛成派に代わりました。おそらく、多くの日本人はそうだと思うのですが、「企業買収」と聞くと良いイメージを持っていませんでした。「ハゲタカ」がお金に物を言わせて買い叩くような雰囲気で。実際、テレビドラマなどでも買収者は悪者に欠かれているケースが多いように思います。
ところが、MBAで学んだあとでは、「悪」は何か?という観点で180度の転向です。資本の理論で他人の会社を乗っ取るのが悪ではなく、むしろ、効率的な資源配分を妨げているのが悪であろう、と。
こう考えると、思想、というか視点が変わったのが、自分自身にとってMBAの最も大きな価値だったかもしれません。
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この記事を書いた人
木田知廣
MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。
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