お客様の要望をピシャリと断る部下

上司の方ならば、部下とお客様のコミュニケーションを見て、ヒヤリとすることってあるんじゃないでしょうか?メールでも電話でもいいのですが、「なんでそういう言い方するかなぁ。お客様が不満に思うのも当然じゃない?」という経験です。

たとえば、断るとき。お客様からの要望に対して、「それはできません!」ってズバッと断る部下の人がときどきいます。いや、もちろんできないのはできないのでしょうがないんだけど、ものには言い方ってあるでしょ?

そうすると、上司はいちいち指導するわけですよ。いやね、それだとお客様が不満に思うじゃないですかだから言い方を変えてください

例えば断る時には二段階です。 最初のメールでは難しいですねでも社内で調整してみますっていう風に言うんです。そして2番目のメールですいませんやっぱり駄目でしたっていう風に断るわけです。

こういう風な断り方ならばお客様は大きく不満に思うことはありません。おそらく感想としてはまあしょうがないなぁでも担当者の人も頑張ってくれたしいいか、そんなふうに思うわけです

ただこうやって毎回毎回上司が指導するそれは大変なことです。部下もたくさんいるわけですからね、 メールだってあるし電話だってあるしてんあるいは最近で言えばチャットでお客様に対応みたいのもあるからそれを全部チェックするわけには行きません。

ソーシャル・スタイルを知ればコミュニケーションがうまくいく

そんな時に何がおすすめかって言うとソーシャル・スタイルです。これはお客様のタイプ分けです。つまり一口にお客様と言ってもいろいろいるわけで相手のソーシャルスタイルつまり他の人との関わり方によってこちらも対応を変えていきましょうという考え方で。

具体的にはお客様を二つの軸伊万里意見をいうタイプなのかそれとも意見を言わないタイプなのか、そして感情を表に出すタイプなのかそれとも感情を表に出さないタイプなのか、そうすると4タイプに分けることができます

それぞれ名前をつけていますけれども、意見も言って感情を出す人はエクスプレッシブタイプです。一方で意見は言うんだけれども感情は出さないタイプがドライビングです。そして意見は言わない感情も出さないのがアナリティカル。さらには、意見は言わないんだけれども感情を出したい。これがエミアブルという言い方になります。

元々アメリカとの考え方なので英語で出ますけれども仮に私は翻訳するとしたらこんな風に言って。左上から順番に行きますけれども失礼右上から順番に行きますけれどもね。エクスプレスは開放的。ドライビングは野心的。アナリティカルは分析的。そしてエミアブルは友好的。

こんな名前をつけるとイメージが湧きやすいのではないでしょうか。そしてこのソーシャルスタイルを使って部下を指導するわけです。

ソーシャル・スタイルで部下を指導する

「いやね、お客様と言ってもいろんなタイプがいるよね?」

「それはいますね」

「だとしたら、コミュニケーションの際には、相手のタイプ分けをしてみて。つまりエクスプレスのお客さんだなってわかったらそのエクスプレッシブなような対応していきましょうよ。逆にアナリティカルなお客様だなーって思ったらアナリティカルな対応をすることにします」

そうするとおそらく部下の彼は聞いてきます。

「それ、どうやって見抜いたらいいですか」

まあそうですよね。センスがいい人であれば相手との話によって多分この人はこのタイプだなっていう想像がつきます。

最も、そういうセンスがいい人はわざわざソーシャルスタイルなんか考えなくてもいいんですけれどもね。むしろここで問題になっているのはセンスが悪いつまり感受性が低くて自分の言葉が自分の口調が自分の表情が相手に対してどういう印象を与えるんだってことを考えられない部下です。

そうするとさっきの話。どうやってお客様のソーシャルスタイルを見抜いたらいいですかっていうことに質問になります。

実はこれ、お客様と名刺交換をする時にヒントがあります。これね、今の時代コロナ禍においてはリモートのコミュニケーションが中心なので名刺交換あんまりないんですけれども、これからコロナから回復していくに従って増えていきます。っていうか戻りますよね。そしたら交換の時にお客様の様子を注意深く見てみてください。タイプによってこんなことが起こります。

ただね、これ結構難しいです。もちろん部下も知っていて自分も知っているお客様を題材にしてあの人はこのタイプだよねこの人はこんなタイプだよね、っていうのをお互いに共通認識をしていくといいと思い。考えてみると何もお客様でなくてもいいです。社内の同僚でもあの人はこのタイプっていう風に見る癖をつけましょう

実は一番大事なのはタイプを見抜くということではないんです。占いではないので絶対に当たるというものではないです。むしろ大事なのは、ソーシャル・スタイルを軸にしながら相手がどんな風に考えるかというものを想像することなんです。

さっきのセンスに戻りますけれども、センスが悪い人というのはそもそも自分と相手が反応が違うっていうことに気付いてないんです。つまり自分にとって心地いい。コミュニケーションは相手にとっても心地いいんだろ言うことを無意識のうちにも意識的にも想像しています。

それをそしたらスタイルを使っていやいろんなタイプが入って、しかも自分とは違うタイプの人がいるんだよということを知ってもらうのが一番のコミュニケーション上手になる方法論ということになります。

ということでここまでソーシャルスタイルによって部下をコミュニケーションを上手にする方法論を紹介してきました。

ただそうは言っても決まり切ったセリフ。つまり鉄板です。絶対にこういう言い方がいいよねっていうものは社内で共通認識を持っておくといいと思います。

例えば最初の方に紹介した断る時には2段階。他にも人に何かを依頼するときにはワンクッションを入れる。これはお客様に対してというよりもビジネス上のパートナーに対して、例えば何かに対してお願いする時っていうイメージですけれどもね。たとえ関係性が、こちらがお金を払う側、相手がお金を受け取る側という関係性であったとしても、何かを依頼するときにはワンクッションです。つまりもしよろしければお願いできませんか。もし違和感がなければ書いていただけませんかのように言うだけで受け入れてもらえる確率が高まります。

なんだかね、そこら辺になると、ちょっともう子供向けの指導みたいなことになっちゃうんですけれども。でもね、コミュニケーションて、ものすごくベーシックなスキルじゃないですか。それがうまくないということはやっぱり子供向けじゃないですけれどもね、そのぐらいまで教えてあげる方がうまくいくということになります

コミュニケーションは指導が難しい。部下の人だって、いやなものです

 

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この記事を書いた人

MBAの三冠王木田知廣

木田知廣

MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。

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