管理職としてビジネスで成果をあげるためにはビジネス書を読むことは必須。ところが、意外なほど多くの人が、「管理職としてのビジネス書の読み方」を知らないものです。結果として、ビジネス書を読むことから遠ざかってしまうという「もったいない」状況になりがち。ビジネス書の出版にまつわる「6:3:1の法則」を踏まえ、1冊30分でも十分な理由を解説します。

管理職なら読まずに済まされないビジネス書

管理職としての実力をアップさせたい、そう思ったときに真っ先にやるべきがビジネス書を読むことです。というか、逆にビジネス書を読む習慣がない人は、どうやって自分の知識やスキルをアップデートしているんですかね?まさか、これだけ変化が激しい世界で、知識の更新をしていないとか?それは結構マズいです。ぜひビジネス書を手にとって下さい。

と聞くと、「めんどくさいなぁ」と思う人がいるかもしれませんが、大丈夫です。私がお勧めするのは、「乱読」。つまり、いろんなテーマのたくさんの本をざっくり読みましょう、と言うやり方です。これなら、心理的な負担はありません。目安は、1冊30分です…。と聞くと、え?それでいいの?と思うかもしれませんが、いいんです。何でかって言うと、出版業界では「6:3:1の法則」って言うのがあるからです。これ、何かというと、1冊の本の中身を分割したものです。

全体を10としたとき、その中の6は「読者が知っていること」を書くんです。そして、6:3:1の3、つまり3割は「新しいこと」、つまり読者が知らないことを書くんです。と言うことは?そう、と言うことは、本を読む際に、自分が知らない3割のことに集中して読めばOKなわけです。

これをね、バカみたいに最初から一字一句追っていく必要はありませんね。だって、6割は知っていることなんですから。読んでも、「あ~、はい、はい」としか思えません。それは、時間のムダ

あ、念のためですけれど、このような読み方は管理職、もしくは経営職の方のためのものです。若手、中堅は別の読み方をした方がよいですね。だって、頭の中にある知識量が違うわけですから。若手・中堅は、先ほどの6割の「読者が知っていること」を知らないこともあり得ます。だとしたら、しっかりと読んでいきましょう。

「知っていること」が書いてあるビジネス書

ちなみに、6:3:1の法則、実はこのような構成にした方が、本は売れるそうです。ご存じの通り、いま、出版不況と言われていて、なかなか本が売れません。昨年は、コロナの影響による巣ごもりで、少し市場規模は拡大したみたいですけどね。でも、基本的には衰退産業です。その中で、何とか売ろうと思ったら、読者が知っていることを6割にした方がいいんですって。

ちょっと意外ですけど、「言われてみれば、そうかもな」と思うでしょう。本屋に行くじゃないですか。興味ある本を手にとるじゃないですか。ぱらぱらっとみて、「うわ、全然分かんない」となったら買わないですよね。あるいは、読んだ後、SNSで感想をアップしないじゃないですか。「この本、ぜんぜん分かりませんでした」なんて、自分の馬鹿さ加減をさらすようなものだし、著者には失礼に当たるし。むしろ、知っていることが6割ある安心感。その上で、3割「も」新しい発見がありました、というのが売れる本だそうです。ということで、1冊30分ぐらいで自分が知らないところを拾い読みしましょう。

ビジネス書を読んだらアウトプットする

そしてもうひとつ大事なのが、アウトプットです。つまり、本の内容を誰かに話してみるんです。あるいは、書評を書くのもお勧めです。私なんかも、読むのは30分ですが、書評は1時間ぐらいかけます。

実際にやってみると分かりますが、「自分は理解した」と思っても、人に話してみるとあやふやで、理解が不十分なときってあります。「え~っと、どういうことだっけな…」みたいなね。つまりは、アウトプットすることによって自分の理解度を確かめることができる、そして理解を深めることができるんです。

これ、なんで大事かって言うと、管理職の方にとっては本で読んだ新しい知識を吸収、つまりインプットするだけでは意味がないんですね。大事なのは、その知識を使って、業務を効率化すること。あるいは、部下の育成が上手になること。そのためにはしっかりと理解が必要になります。なので、アウトプットしてください、と言うお勧めになります。さあ、いかがでしょうか。ここまで来ると、お正月休み、本を読もうかな、なんて気持ちになっていただけたのではないかと思います。

ところが。ところが、この話をすると、ときどきこういう質問をいただくことがあります。「だったら、本を読むんじゃなくて、動画を見ればいいですよね?」。たしかに最近ビジネス系の動画も多いですからね。でも、私は動画を見るのと本を読むのは、頭のはたらきが違うと思っています。

動画は受動的です。流れてくる音声や画像をボーッと見ることも可能じゃないですか。でも、本は能動的。自分で読んで、そして考える必要があります。「ん?この文章とこの文章、どうつながっているんだっけ?」って。つまり、頭をはたらかせる必要があるんですね。この観点で、本と動画は決定的に違うと私は思っています。

そうすると使い分けですよね。理解するため、インプットの目的だったら動画はアリです。考えてみれば、受験勉強のコンテンツも売れているみたいですし、ビジネスでも若手向けのフレームワークの紹介なら、ありでしょう。きっかけ作りとしてもね。

でも、管理職の場合、先ほども言ったように「行動」につなげる必要があるので、動画だけでは十分でないと思います。ぜひですね、この動画をきっかけとしていただいて、ビジネス書を能動的に読むことに取り組んでいただければ幸いです。あ、あと、最後にオススメの本です。ここでは、ビジネス書を読むことに慣れていない人向けに1冊、というかシリーズか、お勧めします。それが、「マンガでやさしく分かるホニャララ」というものです。

え?マンガかよ、と思うかもしれませんが、よくできているものは良くできています。もちろんね、ときどきマンガになっているとは言え、「この内容、難しいな」というのもありますが、ちゃんと選べば読みやすいし、理解しやすいものはあります。ぜひ、「マンガでやさしく分かるホニャララ」をチェックしてみてください。

 

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この記事を書いた人

MBAの三冠王木田知廣

木田知廣

MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。

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