上司にとって部下へのフィードバックは難易度が高いものです。とくに、「褒めると叱る」の割合は悩むもの。ところがそれには「正解」があったというのは、心理学の偉大な発見です。具体的には、
【MBAの心理学】褒めると叱るシリーズ:ワシントン大学のゴットマン博士は関係性によって褒めると叱るの比率を変える「ゴットマン率」を提唱。上司部下は4:1、親子は3:1、恋人は5:1、友人は8:1。固定化された関係の場合褒める比率は少なくとも良い #心理学 #MBA pic.twitter.com/y4lxNr9RYy
— 木田知廣 (マサチューセッツ大学MBA講師) (@kidatomohiro) June 14, 2023
というのは直感的にも納得できるのではないでしょうか。
あ、これ、厳密には「褒めると叱る」ではないです。「ポジティブなストリーク」と「ネガティブなストローク」の比率です。たとえば、仕事を頑張っている部下に、差し入れとしてリポビタンDをあげるというのもポジティブなストロークに入ります。必ずしも言葉である必要はないですね。
ただこれ、そのまま日本人に当てはまるかは若干疑問はありますが。とくに、職場においては上司の厳しい指導とか当たり前の会社がありますからね。そうするとむしろ、
【MBAの心理学】褒めると叱るシリーズ:二宮尊徳いわく、「可愛くば、五つ教えて三つ褒め、二つ叱って良き人となせ」 pic.twitter.com/KEgwxDLzdd
— 木田知廣 (マサチューセッツ大学MBA講師) (@kidatomohiro) July 20, 2022
と言う方がピンとくる方の方が多いかもしれません。
上述の部下へのフィードバックの難しさを乗り越えるために、研修を行うわけですが、研修の効果測定というのはひとつの大きなテーマになっています。
中原淳先生のご著書、研修開発入門 「研修転移」の理論と実践は、研修の効果測定にも役立ちます。しかし、これ系の研究はなぜ欧米の論文が多いんだろう。日本ではあまり研究が進んでいないのかな。本書後半の事例もいいんだけど、データにもとづいた知見が欲しいところ https://t.co/1VFivWxEdz
— 木田知廣 (マサチューセッツ大学MBA講師) (@kidatomohiro) June 17, 2023
ただ、ここ(↑)にも書いたとおり、この分野はなぜか欧米発の研究結果が多くてなんとも。純粋に不思議なんですけれど、日本人の社会科学系の研究者の方って、どういう分野で論文を執筆されているんでしょうか?
単に私が知らないだけなのか、あるいは予算の関係で実験とかやりにくいのか、知りたいものです。
この記事を書いた人
木田知廣
MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。
ブログには書けない「ぶっちゃけの話」はメールマガジンで配信中。
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