パナソニックが2022年9月にローンチした家事コンシェルジュサービス「yohana」(ヨハナ)。スマホアプリを通じて献立の構想や旅行の計画などを相談できるというもので、月額18,000円とのことです。このサービスが「アリ」か「ナシ」かを考えることで、自身の商売人としてカンを研ぎ澄ますことができます。もちろんカンと言っても生まれ持ったものではありません。たくさんの事例を見ることで、自身の中に判断軸、つまりスキーマを構築するという学習法を考察します。

マーケターとしてのセンスがない

私、自分で言うのもナニですが、マーケターとしてのセンスはないと思います。つまり、「このサービスは売れる」、「これは売れない」という予測を外しっぱなしなんです。

たとえば、ウーバーイーツ。こんな流行るとは思いませんでした。日本に上陸したてのころ、「こんなの、誰が頼むんだよ」って思ってましたからね。「自分で買いに行けばいいじゃん?」って。しかも、不特定多数の人に自分の住所がバレちゃうわけじゃないですか?いや、もちろんウーバーさんの方でも対策は採ってくれているんでしょうけど、正直不安です。それが、ここまで大ヒットですからね。もう、生活の一部として根付いていると言ってもいいほどです。まったく予測できなかったので、マーケターとしてのセンスがないなー、と自分で思うわけです。

似たような失敗としてはデパート。いま、絶好調なんですって。え?そうなの?って意外に思うじゃないですか。ところが、店舗の売り場ではなく、外商はすごく売れてるんだそうです。いわゆる富裕層、つまりお金持ちが、高額商品をバンバン買ってくれるそうです。これも、私はまったく予想していませんでした。こんなふうに、ある商品が当たるか当たらないかの予測は、ホントに下手なんです。

家事コンシェルジュサービスはアリ?ナシ?

そんな私が最近見つけたのが、パナソニックさんが展開するyohanaと言うサービス。なんでも、スマホを利用した家事コンシェルジュサービスだそうです。たとえば、1週間分の献立を考えてくれたり、旅行の計画を立ててくれたりするそうです。

では、ここで問題です。お値段はいくらでしょう?ちなみに、先ほどの献立も、別につくってくれるわけではないです。あくまでも考えるだけ。まぁ、ユーザーの好みなんかを考えて、栄養士に相談してしっかりしたものを提案してくれるという前提ですけど。さて、月額いくら?

月額、18,000円だそうです。はい、このサービス、アリでしょうか、ナシでしょうか?私の見立ては、ナシ。正直、購入者が見えないです。だって、月額18,000円と言うことは、富裕層じゃないですか。そういう人たちは、すでに何らかの形でコンシェルジュっぽいものを既に利用しているんじゃないかと思うんですよ。献立だったらお手伝いさん、旅行の手配だったら旅行代理店みたいに。もちろん、ワンストップでなくてばらばらではあるでしょうけど、それをまとめるだけで月額18,000円はないかな。

数値目標も考えてみましょう。あるウェブ上の記事によると、このyohanaというサービス、アメリカでは2021年9月にローンチされているそうです。2022年6月の段階では1,000世帯が利用しているとのこと。9ヶ月で1,000契約がひとつの目安です。日本では、仮にGDPをアメリカの3分の1とすると、来年、2023年6月に330世帯を獲得すれば成功ラインとしましょうか。ちょっと厳しいというのが私の見立てです。まぁ、仮に達成できたとしても、18,000円が330世帯で月間600万円ぐらいの売上。年間で7,200万円ですから、パナソニックさんにとっては微々たるものですけどね。

事例を見ることで自身の中にスキーマをつくる

そして、ここからが大事なんですけど、別にこのyohanaと言うサービスを悪く言いたいわけじゃないんです。新規性があって面白いし、人々の生活に入っていくという戦略的観点でも意味があると思います。パナソニックさんは、テレビのコマーシャルとか見ると、生活関連領域に入っていきたいんだろうな、って想像しますからね。ショールームとかで。

だから、悪く言うわけじゃなくて、このサービスがアリかナシかを考えることで、自分のマーケターとして、あるいは商売人としてのカンを養いたいんです。だってそうじゃないですか?以前紹介したクロスSWOTによる戦略立案。いま、ここに動画でていると思いますけど。あれだって、様々な戦略オプションの中から何を選ぶかって、やっぱりセンスってあると思います。

あ、ここで言うセンスは、持って生まれた直感という意味ではないです。そうではなく、数々の成功例・失敗例を見てきた結果蓄積された判断軸です。だからそれこそ、ハーバード・ビジネススクールのケースメソッドの回で話したような、スキーマと言ってもいいかもしれないですね。そういう意味でのセンスを磨きたいと言うことです。「センスは磨くもの。才能は開花させるもの」っていう言葉がありますけどね、日々の努力が必要だと思うんです。その題材が、今回の場合はyohanaです。来年6月になったら、検証してみたいですけどね。私の読みがあたりかハズレか。

この記事を書いた人

MBAの三冠王木田知廣

木田知廣

MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。

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