2022年11月23日、カタールワールドカップでドイツに対して逆転勝利を収めたサッカー日本代表。その中心選手である鎌田大地選手がJリーグデビューを飾ったのはサガン鳥栖。また、ゴールキーパーとして最少失点に抑えた権田修一選手も同チームで活躍経験がある。財政的に厳しい地方の弱小クラブから、なぜこのような名選手が生まれるのか。その理由をサガン鳥栖愛とともに解説します。

サガン鳥栖に出会ったあの夏

話は2013年までさかのぼります。当時の私は、サッカーは「まあまあ好きかな」ぐらいの感じ。とくに応援しているチームもなくて、「いいプレーを見れたらいいんじゃない?」ぐらいの見方です。その日、今記録を見ると8月28日だったんですけど、たまたまFC東京の試合のチケットを手に入れました。一応、東京在住ですから、FC東京でも応援すっかな~、みたいな感じで国立競技場まで行ったんです。

ところが。FC東京は、締まらない試合をやっているワケですよ。相手に先制されて、後半終了間際に追いついたけれど、最後に突き放されて3対2で負けてしまう。というか、スコア以上に、選手から覇気が感じられなかったわけです。申し訳ないけれど。

ところが。相手のチーム。当時は名前すら分かりません。鳥栖?どこそれ?みたいな感じだったわけですが、選手がものすごく躍動しているわけです。最後に決勝ゴールを決めた豊田陽平選手とか、カッコいいわけです。もう、しびれました。そこから、調べました。なになに?サガン鳥栖っていうの?佐賀県?地方のクラブなのに、なんでこんなにイキがいいんだろう?って。

工夫と情熱で逆境を乗り切る

Jリーグに詳しい方は、地方クラブの苦しい運営状況はご存じだと思います。スポンサーが集まらない、お金がない、そうするといい選手が集まらない、もしくは育った選手が流出してしまう、という。いま、データみたら、今年の話になりますけど、Jリーグの選手の給与総額をチームごとのランキングでみたら、1位はヴィッセル神戸です。40億円近い。まあ、イニエスタ選手とかいますからね。これは別格。2位グループは名古屋グランパス、ガンバ大阪、川崎フロンターレあたりで、12億円ぐらい。

そしてわがサガン鳥栖。18位ですよ。J1チームで最下位。3億5千万円。トップの神戸とは10倍の開きがあるわけ。もうね、こんな弱小チームがやっていけるのかって思うじゃないですか。普通なら。でも、今季の順位をみてみましょう。ヴィッセル神戸、13位。かろうじて降格を回避したぐらい。それに対してサガン鳥栖は11位。リーグ終盤は勝てない試合が続いて苦しくなってましたけど、大健闘。どころか、シーズン中盤は6位まで上がっていたぐらいですから。

そうすると、思います。いったいこれは何なんだ?どうやって、地方の弱小クラブがこんな成績を残しているんだ?って。答は、熱意と工夫。クラブチームに携わる方が熱意を持って、頭を絞って工夫を重ねることで、逆境をはね返しているわけです。

そんな状況を知ると、もう応援するしかないじゃないですか。

下部組織も魅力のサガン鳥栖

しかも、下部組織、ユースの育成もしっかりしているのがさらに魅力。2020年には育成年代のU-18、U-15のカテゴリーでダブル優勝を飾っています。そこからプロに昇格した本田風智選手、中野伸哉選手、後は移籍しちゃったけど松岡君とか樋口君も、本当に良い選手を輩出しているのがなんとも誇らしいんです。

というか、あまりにも応援したいので、私も育成世代のスポンサーになりました。いろいろね、設備を充実させるのに使ってくれているんじゃないかな。そして、今回のワールドカップ。鎌田大地選手はもう言うまでもありません。もはや日本の中心選手と言ってもいいんじゃないでしょうか。2015年にサガン鳥栖でデビューして、「これはスゴイ選手が現れた」と思ったら、あっという間に海外に行ってしまいましたけどね。

そして権田修一選手。在籍は2017年、18年。本当に心強かった。なぜかウチはGKには恵まれていて、歴代の林さん、高岡君、権ちゃん、そしてもちろん今のパギさんも、そうそうたるプレイヤーが並んでいます。そんな2人がワールドカップのピッチに立っているんですよ。しかも、ドイツ相手ですよ。おまけに大活躍ですよ。試合の中盤で権ちゃんの4連続セーブとか、心が震えますよね。そして最後には勝利を手にした。もう、言うことなしの試合でした。私にとっては。

この記事を書いた人

MBAの三冠王木田知廣

木田知廣

MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。

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