ロボット掃除機のパイオニア「ルンバ」が苦境に立たされています。

理由は明確。中国企業の台頭 です。

かつて革新的だったルンバですが、今や競争相手はさらに賢く、便利な製品を市場に投入。これが示すのは、現代のビジネス環境では 「安泰」なんてものは存在しない という厳しい現実です。


ルンバを買って感動、でも…

私がルンバを買ったのは2012年。最初は 「掃除が全自動でできるなんて最高!」 と感動しました。

当時喜んで撮った動画がこんなところに残ってました。

…が、その感動も長くは続かず。

電源ケーブルを巻き込んで身動きが取れなくなる
椅子の下に入り込んで、自力で出られない
掃除が終わっても、部屋の隅にゴミが残る

その結果、使用頻度はどんどん下がり、いまでは 週に1回動かせばいい方 という状態に。

この「ルンバへの小さな不満」を見逃さなかったのが、中国企業 ロボロック(北京石頭世紀科技) でした。


ロボロックがルンバを超えた理由

ロボロックが開発したロボット掃除機は、なんと アーム付き
進行方向に 邪魔なものがあれば、それを片付けてから掃除をする というのです。

しかも、日経新聞によると 人工知能で物を認識し、おもちゃはおもちゃ箱、靴下は洗濯かごに片付ける という驚きの機能まで搭載。

…いやいや、本当にそんなことができるの?
と思って動画を見てみたら、できてしまっている

こうして 「ちょっとした不満」を解消する形で、イノベーションが生まれ、市場が奪われる のです。


「ハイパー・コンペティション」— もはや、持続的な競争優位は存在しない

ロボット掃除機という市場を創造したのは 間違いなくルンバ です。
しかし、その立場に安住して 「改善」よりも「現状維持」を優先した結果、競争に敗れつつある

このような状況を、テューレーン大学の ロバート・ウィギンズ教授 は「ハイパー・コンペティション」と呼んでいます。

「持続的な競争優位など存在しない。一時的な優位の連鎖があるだけだ。」

ロボット掃除機に限らず、この現象はあらゆる業界で起こっています
イノベーションを怠った瞬間、競争に負ける。

では、私たちの仕事はどうか?
私自身も、改めて問いかけました。

「ウチの会社は、今月、今週、ちょっとでいいからイノベーションに挑戦したか?」

これを継続することなしに、ビジネスの発展はないのでしょう。roomba photoPhoto by pboyd04

この記事を書いた人

MBAの三冠王木田知廣

木田知廣

MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。

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