タイムスリップではなかった「カバン持ち」
「カバン持ち」と聞くと、どんなイメージが浮かびますか?
偉い社長の後ろをひたすらついて回り、鞄を運ぶだけの平社員——そんな昭和っぽい光景を思い浮かべるかもしれません。
でも、実はこの「カバン持ち」が、スキルの継承に意外なほど役立つというのです。
2025年3月5日付の日経新聞に、みずほ信託銀行の「カバン持ち制度」が紹介されていました。
みずほ信託銀行の「カバン持ち制度」とは?
みずほ信託銀行のコンサルティング部では、1989年の創設以来「カバン持ち」制度を続けてきました。そして今、それを令和版にアップデートし、若手の育成に活用しているそうです。
背景にあるのは、信託業務の専門性の高さ。通常の銀行業務とは違い、不動産や遺言といった高度な知識が求められる領域で、経験の積み方が難しいのです。
さらにもう一つの理由が、コンサルティング部の中心メンバーだった「バブル入社組」の定年。蓄積されたノウハウを次世代に継承するために、「カバン持ち」が有効な手段として見直されているのです。
「カバン持ち」が今こそ必要な理由
こうした課題は、何も信託銀行に限った話ではありません。
日本中の企業で、「ベテランが持つ暗黙知をどうやって若手に伝えるか?」が、今まさに問題になっています。
OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)だけでは限界がある中、実践を通じてリアルな学びを得られる「カバン持ち」のような仕組みは、むしろ今の時代にこそ必要なのかもしれません。
あなたの会社でも、先輩の経験を間近で学べる仕組み、考えてみる価値があると思いませんか?
この記事を書いた人

木田知廣
MBAで学び、MBAを創り、MBAで教えることから「MBAの三冠王」を自称するビジネス教育のプロフェッショナル。自身の教育手法を広めるべく、講師養成を手がけ、ビジネスだけでなくアロマ、手芸など様々な分野で講師を輩出する。
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